平成15年度国際インターンシップ派遣学生成果報告書

荒井 康一

 (東北大学環境科学研究科、地域環境・社会システム学コース 中東・中央アジア地域研究分野、博士後期課程1年)

指導教官: 木村 喜博 先生
インターンシップ研究課題名: 現代トルコにおける社会流動のダイナミクス:工業化と農村社会の構造変化
派遣期間: 平成 16 年 2 月 8 日  〜 平成 16 年 3 月 23 日
受入れ教官名: 中東工科大学 建築学部 (トルコ、アンカラ) アイシェ・ゲディク (Ayse Gedik) 教授


アンカラ市街

訪問当初の目的

人口移動と灌漑による農村社会の構造変化に関する一次資料の収集、研究者との交流。
現地での主な活動
・中東工科大学建築学部内 オウズ・ウシュク教授と面会
・DIE(国家統計局) 資料の請求、収集
・GAP-RDA(南東アナトリア開発地域行政局)
   イブラヒム・トゥールル氏、トルガ・エルドアン氏、ネシェ・チャクル氏と面会、資料の請求、収集
・DSI(国家水管理局)
・TODAIE(トルコ中東公共行政機構) フィリッツ・カルタル氏と面会
活動の成果
・大規模な開発にも拘わらず、GAP地域農村部の投票行動は自発的ではなく動員的なままであった。大地主が強く、政治意識・投票行動の流動化は起きず、開発が大きな社会構造変動を起こしてはいない。ただし、親クルド人政党の得票は動員的ではない場合が多く、人口が急増する都市部での支持も高い。
直面した問題
・人口移動に関する新しいデータは公表されず、社会経済データも詳細なものは入手できなかった。
・南東アナトリア地域は民族問題も絡み、政府関連機関でもなかなか十分な情報を開示してもらえず、十分な資料収集は難しかった。
・今後はさらなるデータの収集、農村での社会調査が必要。
受入機関について
・中東工科大学の建築学部では、都市計画との関連で、社会変容についての研究も盛んである。
・流動体に特化する特別の機関、部局はないが、エネルギー関連の部局では流動体と関連する研究が行われている。
・学内の設備は充実しており、教官にも非常に親切なご対応をいただいた。
 
宿泊した学生寮