当コンソーシアムでは垂直統合として単に材料開発にとどまらずに、その実際の使用における問題点の解決にも関わっています。 その実使用においては、電池の耐久性は重要なファクターとなります。また、電池がどのように動作しているかを見ることは、 電池の設計や実際に家庭や車載用として使った時にどのように動作設定するかの重要なファクターとなります。
以上のような観点から、下記のように東北大学の先生と、企業にも属して燃料電池に関する研究技術組合で研究している お二方を講師として招いて講演会を企画しました。
【日時】
2014年10月2日(木)9:50-11:50
【場所】
東北大学 多元物質科学研究所 事務棟 小会議室 (地図・F02エリア)
【講師】
佐藤 一永(東北大学大学院 工学研究科附属 エネルギー安全科学国際センター 准教授)
久保 則夫(技術研究組合FC-Cubic グループ長)
【プログラム】
9:50-10:50 「固体電池の開発における材料強度学と情報科学の必要性」
佐藤 一永 氏
[講演内容]
地球温暖化・化石燃料枯渇などの環境・資源問題の解決という社会ニーズを背景に、エネルギー変換効率や電流密度の極めて高いリチウムイオン電池や 燃料電池等の電気化学デバイスが次世代環境調和型のエネルギー変換システムとして注目されている。一方で、従来型の液体ベースの電池では、 安全性を確保したり、10年以上の長期安定運転を実現するにはハードルが極めて高い。
近年では、燃料電池を中心にリチウムイオン電池分野でも完全固体化した電池の開発が行われている。性能や信頼性・耐久性を含めた設計・開発手法は これまでの電池開発とは全く異なるため、誰でも参入できるわけではないが、日本には多くのビジネスチャンスがある。
そこで本講演では燃料電池・リチウムイオン電池等のデバイスについて概説し、その設計手法の現状と将来の展望について 材料強度学と情報科学的視点から紹介する。
10:50-11:50 「PEFC用多孔質部材の酸素・電子特性の計測解析」
久保 則夫 氏
[講演内容]
固体高分子形燃料電池のコスト低減・高性能化には膜電極接合体を構成する多孔質部材(ガス拡散層、緻密カーボン層、触媒層)の 酸素輸送抵抗・電子輸送抵抗の低減が重要課題となる。
本講演では、膜電極接合体を構成する多孔質部材の酸素・電子輸送特性を計測するとともに、 その三次元構造の可視化ならびに構成材料の特性計測を実施した。
さらに、これらを結びつけるモデル解析・理論考察を行うことで、固体高分子形燃料電池のコスト低減・高性能化に資する PEFC用多孔質部材の改良指針について検討したので紹介する。
【参加費】
無料
【申込方法】
コンソーシアム事務局(consortium*sammy.ifs.tohoku.ac.jp *=@に変換)までご連絡下さい。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。(分野外の方のご参加も歓迎します)