World First Discovery

ミクロンサイズの
「ざらつき」が
空気抵抗を43.6% 低減

世界最大級の磁力支持天秤装置(MSBS)が可能にした究極の計測環境。 支持支柱による干渉を完全に排し、新技術DMRによる劇的な摩擦抵抗低減を実証。

MSBS実験の様子

磁力支持によって宙に浮揚する流線形模型(1m-MSBS内)
撮影:東北大学工学研究科機械系広報

Research Overview

「常識」を覆す、ミクロン粗さの挑戦

航空機や船舶の燃費向上に不可欠な「空気抵抗」の低減。本研究では、模型表面に髪の毛の太さの半分程度の微細な粗さ「DMR」を施すことで、流体抵抗がどのように変化するかを調査しました。その結果、これまでの常識を覆す劇的な効果が明らかになりました。

43.6%

最大抵抗低減率

ZERO

計測干渉の完全排除

JFM

物理学・流体分野最高峰

Experimental Technology

支柱のない「究極の計測」

従来の風洞試験では、模型を固定する「支柱(スティング)」が不可欠でしたが、その存在自体が気流を乱し、精密なデータ取得を阻んできました。

東北大学流体科学研究所が誇る1m大型磁気支持天秤装置(MSBS)は、強力な磁力によって模型を完全に浮かせることで、この干渉をゼロにしました。

Heritage & Global Standard

JAXAの澤田秀夫先生らから受け継ぎ、流体研で独自に進化したこの技術は、現在、英インペリアル・カレッジやオックスフォード大からも導入が熱望される、世界基準の計測インフラとなっています。

Scientific Proof

摩擦抵抗そのものが減っている証拠

「なぜ摩擦抵抗が減ったと言えるのか?」

圧力抵抗の上限
Cp ≈ 0.00021
実測された抵抗低減量
ΔCD ≈ 0.001

実際に減った抵抗の量は、理論上の圧力抵抗(剥離などが原因の抵抗)の全量よりも約5倍も大きかったのです。

これは、抵抗が減った原因が「空気の剥がれ」を抑えたからではなく、「摩擦抵抗そのもの」が大幅に減少しているという物理的・数学的な証明になります。

Journal Information

"DMR effect on drag reduction of a streamlined body measured by Magnetic Suspension and Balance System"

Journal of Fluid Mechanics (JFM)

著者:焼野 藍子, 奥泉 寛之, 猪熊 建登, 渡辺 佳是

arXiv:2603.23843 DOI: [準備中]

日本発の技術が、世界の空と海を変える

この43.6%という抵抗低減は、将来的に航空機や船舶、さらには自動車などの大幅な燃費向上とCO2排出削減に直結します。