派遣研究者レポート

レポート No.4 小宮 敦樹【INSA-Lyon(フランス)】(2012年6月26日)

レポート No.4 小宮 敦樹【INSA-Lyon(フランス)】私は現在、フランス国立応用科学院リヨン校(INSA de Lyon)の材料理工学研究所(MATEIS)に滞在し、拡散場を空間制御したタンパク質の物質移動能動制御に関する研究を行っています。ポリマーや多孔質等の諸性質を利用して、マイクロスケールオーダーで代表チャネル幅を制御できる機能性を有した多孔質体の膜生成を行い、周囲環境条件により透過物質を選択できる機能性膜の生成実現を目指しています。チャネル輸送・キャリア輸送およびポンプ輸送がタンパク質にとってどの程度の空間的抵抗となるかを、これまで培ってきた干渉法による高精度非定常拡散場の計測技術を応用して定量的に評価し、熱工学と材料工学の学際的融合をはかることで、能動的タンパク質輸送制御の評価を行っています。写真はこちらで組み上げました観察実験用の干渉計です。これまでは熱工学の分野を超えない範囲での研究展開でありましたが、現在は受入先のJ.Y. Cavaille教授のグループの一つであるポリマー科学チームと機能膜のデザイン、コンセプトについて材料科学の観点から議論を行い、二酸化炭素を超臨界に保持した状態で作成する特殊ポリマーを第一次機能膜の候補とし、拡散実験を行っています。多角的な視点で研究を進めていくことができる現在の環境では、日々新しい風を感じることができ、今後の工学研究者として要求される能力の「学際的見識」を練磨しております。

拡散場観察実験の様子
拡散場観察実験の様子
観察実験装置(光学干渉計)
観察実験装置(光学干渉計)

 

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