派遣研究者レポート

レポート No.7 下山 幸治【Stanford(アメリカ)】(2012年12月5日)

レポート No.7 下山 幸治【Stanford(アメリカ)】私は、米国スタンフォード大学の航空宇宙工学科に滞在し、Juan J. Alonso准教授の研究室で国際共同研究に取り組んでいます。スタンフォード大学には国際的に評価の高い優れた研究者が多数集まっており、事実2012年のノーベル賞では2名の教員が化学賞および経済学賞に選出されています。また、航空宇宙分野に関する研究活動も盛んで、本学近くに立地するNASAエイムズ研究センターとの関係も強く、これまでに様々な国家共同研究プロジェクトが進められています。Alonso准教授の研究室も例外ではなく、航空機・宇宙機およびそれらに付随する流体機械の解析・設計のための数値シミュレーション技術の発展を目指して、様々な研究プロジェクトに参画しています。
彼らがこれまでに取り組んできた研究課題に対して、私は東北大学流体科学研究所で開発および実証に取り組んできた最適設計に関する諸技術を基盤として取り組むことで、数値シミュレーション技術の更なる高度化、および航空機設計の更なる革新に貢献することを目指しています。具体的には、無数の不確かな物理要因によって生み出される実世界に近い物理現象を定量的に評価するための数値シミュレーション手法の開発に着手しています。通常、この種の数値シミュレーションを精度良く行おうとすると膨大な計算コストが要求されます。そこで本研究では、Kriging理論に基づく新しい数値シミュレーション手法を開発しました。これまでに、理論解が与えられているテスト問題に対して新手法を適用し、従来手法に比べて解の算出精度の改善が確認されています。今後は本開発手法を応用して、航空機翼周りの流体シミュレーションなど、現実的な工学事例や物理現象の定量化に繋げたいと思います。

自室にて
自室にて
中央校舎(Main Quad)と広場(The Oval)
中央校舎(Main Quad)と広場(The Oval)
研究室メンバーと
研究室メンバーと
不確定性定量化解析結果の一例
不確定性定量化解析結果の一例

 

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