平衡系でのガラス状態の典型的な配置の時間発展 |
中性コロイド分散系での(a)過冷却コロイド液体状態と(b)コロイド液体状態で、空間的にランダムな揺らぎを与えた初期状態からの平衡状態への時間発展、及びその後の平衡状態での時間発展を以下に示す。
平衡系では、常に非線形揺らぎによってガラス領域が励起されるが、同じ揺らぎによって、形成されたガラス領域が消滅させられる。
(a)過冷却コロイド液体 | (b)コロイド液体 | |
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ガラス転移点近傍での密度揺らぎ分布の 断面図の時間発展(平均濃度 Phi=0.5704) |
ガラス転移から離れたところでの密度揺らぎ分布の 断面図の時間発展(平均濃度 Phi=0.5020) |
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(赤:ガラス状態![]() |
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初期からの緩和過程では、コロイド液体状態では平衡状態に達するまでの時間は短いが、過冷却コロイド液体状態では非常に緩和時間が長く、平衡状態に達するまでに時間がかかることがわかる。 また、平衡状態に達すると、コロイド液体に比べ、ガラス転移点近傍の過冷却コロイド液体では、ガラス状態の大きなクラスターが形成される。さらに、この大きなクラスターは長時間安定である。しかし、ガラス転移点近傍でも小さなクラスターの生成消滅は短い時間スケールで起こっている。 |