風洞設備

低乱風洞実験施設は、低乱熱伝達風洞、小型低乱風洞、低騒音風洞からなる実験施設です。 主となる低熱伝達風洞は、流体関係の基礎および応用研究を目的として、昭和50年3月に設置された単路回流式の低速風洞です。 本風洞は低乱れ、低騒音、優れた気流の一様性を示すように設計されており、密閉型測定部の断面は対辺1mの正八角形をしており、最大風速70m/s、 開放型測定部の断面は対辺0.8m の正八角形で、最大80m/sの一様性の高い流れを作ることが可能です。 特に、密閉型測定部では気流の乱れ強さは0.02%以下と極めて低く、世界的にも優れた風洞設備です。 これらの性能を生かして、層流から乱流への遷移といった乱れが低い風洞で無ければ観測しづらい流れ場の基礎研究や企業の製品開発および技術力向上に貢献しています。

低乱熱伝達風洞

低乱熱伝達風洞は、機械工学、航空工学、土木工学、建築学、気象学など各種の基礎研究及び応用研究を実施する上で好適であり広い分野の研究・実験に使用できるように設計された単路回流型の汎用低乱風洞です。 測定部は開放・密閉両型式に交換可能であり、風の性質が極めて良い(乱れ強さが極めて低い)のが特徴で、その性質は国内最高水準の値(密閉型測定部で 0.02%以下)を誇り、世界でも有数の設備として知られております。

型式 単路回流式
測定部
(開放型)
長さ:1.42 m、第2ノズル対辺距離:0.81 m、正八角形断面、風速:5~80 m/s、開口面積:約0.544 m2
測定部
(密閉型)
長さ:3.5 m、対辺距離:1.01 m、正八角形断面、風速:5~70 m/s、開口面積:約0.845 m2
送風機 軸流1段、前置及び後置静翼付、電動機直結型、入力直径:1.54 m、定格風量:53 m3/s、圧力差:1.18 kPa
風洞寸法 W 26 m × D 9.5 m × H 4.3 m
性能試験報告
図面、3DCAD
(.stepは右クリックから保存)

小型低乱風洞

小型低乱風洞は、低乱熱伝達風洞の3.5分の1スケールの小型低乱風洞であり、小回りがきいて手軽に実験の出来る風洞です。 本風洞は、小寸法の模型を用いた実験研究や実験に使用する各種プローブ類の検定、低乱熱伝達風洞を用いての実験に先立つ予備実験などに常時使用されています。

型式 単路回流式
測定部
(開放型)
長さ:0.508 m、第2ノズル対辺距離:0.293 m、正八角形断面、風速:5~65 m/s、開口面積:約0.0711 m2
測定部
(密閉型)
長さ:1.0 m、対辺距離:0.29 m、正八角形断面、風速:5~70 m/s、開口面積:約0.0697 m2
送風機 軸流1段、前置及び後置静翼付、電動機直結型、入力直径:0.472 m、定格風量:4.53 m3/s、圧力差:1.23 kPa
風洞寸法 W 8.3 m × D 9.5 m × H 4.3 m
性能試験報告
図面、3DCAD
(.stepは右クリックから保存)

小型低騒音風洞

基礎研究用に簡易無響室内に測定部がある吸込み式の風洞です。

型式 単純吸い込み式
測定部 長さ:1.0 m、吹き出し口寸法:W 0.3 m × H 0.5 m、長方形断面、風速:5~45 m/s、開口面積:約0.15 m2
風速、暗騒音 5~45 m/s、65 dB (A特性) @ 45 m/s
図面、3DCAD
(.stepは右クリックから保存)

磁力支持天秤装置(MSBS)

この装置は模型を磁気の力で気流中に支持すると共に、模型が気流から受ける力も計測できる装置です。本装置は、対辺距離が1mの正八角形の測定部を持つ世界最大の大きさを誇る磁力支持天秤装置であり、風洞模型を支える支柱の影響が無い試験が可能となるほか、模型に様々な運動をさせることもできます。


測定部 密閉型、長さ:3.5 m、対辺距離:1.01 m、正八角形断面、風速:5~50 m/s、開口面積:約0.845 m2
制御 PI制御+二重位相進み補償による6軸または5軸制御
模型挿入標準磁石 (例)ネオジム磁石グレード54、直径65mm、長さ260mm、質量約6.5kg
最大模型質量 7kg(標準磁石の場合、標準磁石質量を除く)
耐最大抗力 35N(標準磁石の場合)
耐最大横力 80N(標準磁石の場合)
参考文献

Back to top