メンバーリスト:
伊賀由佳(流体研)、吉田義樹(JAXA)、南里秀明(JAXA)、菊田研吾(JAXA)

内容説明:
液体ロケットターボポンプの入口部にあるインデューサ(軸流ポンプ)では、キャビテーションが発生し、ときにキャビテーション不安定現象と呼ばれるポンプの振動現象を引き起こし問題となります。キャビテーション不安定現象は大きく、推進剤の脈動を引き起こすキャビテーションサージと、回転非同期の軸振動を引き起こす旋回キャビテーション分類されます。本研究では、気液二相均質媒体モデルに基づき、液相の圧縮性も考慮したキャビテーションの数値解析手法により、各種キャビテーション不安定現象の発生を数値的に再現することに成功しています。現在は、旋回キャビテーションの伝播メカニズムの解明、通常のキャビテーションサージと音響共振キャビテーションサージの振動特性の解明、不安定現象の抑制手法の開発、等々を試みています。


将来の展望(夢):
液体ロケットのエンジン試験では、キャビテーション不安定現象の抑制のために多くの時間と費用を費やしています。これを事前に数値的に予測し、さらに抑制法を提案できるようになれば、ロケットエンジンの開発費の削減に貢献できると期待しています。