統合流動科学国際研究教育センター

エネルギー動態研究分野

  • 教授丸田 薫

  • 准教授中村 寿

  • 助教森井 雄飛

エネルギー・環境問題やエネルギー科学への貢献を目指し、種々のエネルギーとその勤態に閃する基礎および応用研究を推進します。熱物質再循環を基盤とした低エクセルギー損失燃焼をキーワードに、新コンセプト技術を視野に入れた、燃焼・反応性熱流体現象の基礎研究を柱として進めていきます。基礎研究をベースに、産学官連携や国際共同研究パートナーとの学際的・分野横断融合を通じて問題解決を図り、実験および数値計算の融合に加えて、直感力醸成の礎となる理論解析にも重点を置き、下記のテーマに取り組みます。
・マイクロ・マイルド・マイクログラビティ燃焼
・温度分布制御マイクロフローリアクタによる多段酸化反応
・代替燃料・バイオマス・合成燃料・アンモニアの燃焼
・自勲車用ガソリンエンジンの超希薄燃焼・ノック抑制
・高温酸素燃焼

マイクロリアクタによる着火・低温酸化反応解析

定常な温度勾配を有する微小直径リアクタを用いることで、代替燃料・バイオ燃料・アンモニアの多段酸化反応の定在 化に成功しました。これによリ、オクタン価やセタン価等の燃料の反応性の指標、燃料成分、圧力といった条件が多段酸化 反応に及ぼす影轡を可視化することができます。高精度・厳密な理論的背景の下で、実設計に貢献する反応デザインヘの貢 献を図っています。本手法は言十測装置として実用化されました。
  • 温度分布制御マイクロフローリアクタによる定在多段酸化反応とそのオクタン価依存性

熱源用スイスロールマイクロコンバスタ

スイスロールバーナにより徹底した熱再生を行う手法を新たに 開発し、徴小スケール下で安定な燃焼を実現するごとに成功しま した。燃焼式でありながら電気ヒータ並みの温度制御性(土1゜C) に加え、条件によっては電気ヒータの2倍を越える熱効率を有す る、熱源用マイクロコンバスタの開発に成功しました。裸火が無 いのであらゆる雰囲気で使用でき、無磁場加熱も可能です。最小 サイズは一円玉(直径20 mm)サイズです。現在、本マイクロコン バスタの原理を用いた食品焼成炉を旧1 と共に関発中です。
  • 運転中のスイスロール型マイクロコンバスタ(直径: 64 mm)
  • コインサイズコンバスタ(直径: 20 mm)

自動車用ガソリンエンジンの超希薄燃焼・ノック抑制の実現

自動車用ガソリンエンジンにおいて50%以上の熱効率を達成するために、超希薄燃焼が注目されています。しかし、超希薄燃焼では燃焼期間短縮のためにエンジン内に高強度乱流場を形成する必要があり、確実に着火し燃焼を完了させることがとても困難になります。強い乱れ条件で着火が困難となる現象の解明のため、高強度乱流場を内部に形成することのできる定容燃焼容器を用いて着火実験を行っています。また、実機開発において問題となるノックについて数値解析を用いた研究を行っています。ノックの発生条件を調べ、ノック抑制手法の確立を目指しています。
  • 層流および乱流条件における着火核のシュリーレン画像
  • 直接数値計算によって得られたノック発生前後の密度勾配

「きぽう」実験棟と航空機による微小重力環境下における極低伸長対向流火炎

国際宇宙ステーション「きぼう」実験棟での燃焼実験テーマに選定さ れました。酸素燃焼条件の対向流火炎を極低伸長まで低下させることで Flame ballの実現条件に近づけ、Flame ballと伝播火炎の限界を統一的に 扱う理論構築・検証を目標としています。
  • 微小重力環境下での対向流火炎と国際宇宙 ステーション・微小重力実験用航空機