本研究は、ヘリコプタが高速で飛行する時に発生するHIS(High Speed Impulsive)ノイズの低減と空力や構造性能向上を目標に、JAXAと共同でヘリコプタ用の最適化コードの構築を行ったものである。最適化にはクリギング近似モデルと進化計算アルゴリズムを導入した。さらに、ヘリコプタブレード設計に関する知識を獲得するため自己組織化マップ(SOM)を用いたデータマイニングを行った。右の図から、HSIノイズの場合、そのSOMのカラーパターンがdv7-dv8 (チップでのコード長)のSOMと似ていることからチップのコード長がHISノイズの重要なパラメータだという事がわかる。CT/Sigmaの場合、そのSOMの中で値が高い(性能が良い)部分は、dv28(後縁の方向角)が負の値を持っている。逆に性能が悪い物は、後縁の方向角が正の値を持っている。なお、CMの場合は、dv28の値がゼロに近い場合、低いCM(良いCM)の値を持っていることがわかる。
さらに、CT/Sigmaの性能が良い領域はCMの性能が良くない、逆にCMの性能が良い領域はCT/Sigmaの性能が良くないことも確認できることから、両者の間にはトレードオフが存在することもわかる。