メンバーリスト:
丸田 薫(東北大学・流体科学研究所)
小林 秀昭(東北大学・流体科学研究所)
中村 寿(東北大学・流体科学研究所)
菊池 政雄(宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部)

内容説明:
 国際宇宙ステーション「きぼう」実験棟での燃焼実験がJAXAの候補テーマ(「きぼう」船内実験室 第2期利用後半期間 科学分野候補テーマ)に選定されました。本研究では、酸素燃焼条件の対向流火炎を極低伸長まで低下させることでFlame ballを形成し、Flame ballと伝播火炎の限界を統一的に扱う理論構築・検証を目標としています。実験装置は2013年の打ち上げを予定しています。宇宙燃焼実験に先立つ予備実験として、航空機のパラボリックフライトによる微小重力環境下での燃焼実験を成功させるなど、宇宙実験に向けて準備を進めています。



微小重力環境下における対向流火炎と国際
宇宙ステーション・微小重力実験用航空機

将来の展望(夢):
 二酸化炭素無排出の発電を実現する技術として、CO2回収・貯留(CCS)を前提とした、酸素燃焼が脚光を浴びています。酸素燃焼では、純酸素+二酸化炭素を酸化剤として用いますが、このように高濃度の輻射性ガス(CO2)を含む混合気の燃焼限界に関する基準実験データは未だ存在しません。本研究により得られる基準実験データにより、酸素燃焼の高精度数値計算に資することで酸素燃焼の発電効率向上に寄与できます。さらに、燃焼限界に関する統一理論の構築・検証により、気体燃料の燃焼科学において世界をリードする成果となることが期待されます。