Research Update 2026
AIが切り拓く
流体解析の「第三の道」
スパコンで数日かかるシュミレーションを手元のPCで。
180分の1のコスト 物理法則を「自ら学習するAI」。
Kawabata, A., Yakeno, A., Obayashi, S., & Sandberg, R. D. (2026). A machine learning-based closure for unsteady RANS simulations of vortex shedding. Engineering Applications of Computational Fluid Mechanics, 20(1). https://doi.org/10.1080/19942060.2026.2619155
産業界を悩ませる
「風の揺らぎ」の壁
航空機の翼が震える「バフェット」や風車の「騒音」。これらは一定の風ではなく、刻々と変化する「非定常な渦」が引き起こします。
ミクロな渦まですべて真面目に計算。精度は最高だが、スパコンを数日間占有し、莫大な電気と時間を消費する。
設計現場で使われる軽い計算。しかし、複雑な渦の時間変化を捉えるには、誤差が大きすぎるという致命的な欠陥があった。
AI by Evolution.
AIが物理学者を「アシスト」する、次世代のフレームワーク
自律的な数式生成
「遺伝的プログラミング(GEP)」というAI手法を採用。AIがシミュレーションのための数式を自ら提案し、結果が良ければその数式を「進化」させていく。
渦のリズムを学習
「平均的な形」ではなく、渦が生まれる「リズム(周波数)」をAIに直接叩き込んだ。これにより、従来のAIには不可能だった非定常現象の再現に成功。
中身が見えるAI
導き出された答えは、人間が読める「物理数式」。中身が不明なブラックボックスではないため、航空機設計などの高い安全性が求められる分野に適用できる。
Learned Physical Relation
aij = f(I1, I2, ...) · Vij
AIが進化させる、渦の非等方性を記述する「ホワイトボックス」数式
この研究が変える未来
Aviation Innovation
巨大なスパコンセンターを持たない企業でも、流体解析が可能に。中堅メーカーの技術革新や新興企業の参入が後押しされます。
Carbon Neutral
高精度な予測が、主翼の層流化や風車効率の最大化を実現。解析コストそのものの削減も、ITの消費電力低減に直結します。
物理への深い洞察と、最先端AIの融合。君の手で次の「数式」を見つけませんか?
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