東北関東大震災から三週間、寒川研完全復活の記録




震災中の記録



3/11 東北関東大震災発生時

14時46分の地震発生時、寒川研は研究室のメンバー全員でミーティングを行っており、全員無事でした。
揺れが収まるのを待って建物の外へ避難しました。

3/12, 3/13

電気・ガス・水道が止まったため、学生全員が片平キャンパスのさくらホールにて避難生活を送りました。
寒川先生も毎日さくらホールに来られ、学生の安否を気遣っておられました。

3/14〜 3/16

流体研二号館の電気が復旧。寒川研では毎朝全員で研究室に集合し、ミーティングを行いました。
実験装置に関しても大きな被害はなく、殆どの装置が通常通り稼動することを確認しました。
これも念入りな地震対策の成果であると感じました。

3/17〜3/22

学生及び一部のスタッフは仙台を離れ、実家等に避難しました。全員の連絡先と避難場所を確認し、
いつでも連絡が取れるように対応しました。

3/17〜3/22

学生及び一部のスタッフは仙台を離れ、実家等に避難しました。全員の連絡先と避難場所を確認し、
いつでも連絡が取れるように対応しました。

3/23

東京エレクトロンから大竹さん、岡田さんが研究室を訪れ、寒川研の復旧に尽力されました。

3/24

2011年度から准教授に着任される久保田さんが、寒川研究室に来られました。


3/29

台湾に一時帰国していた助教の黄さん、博士研究員の王さんが仙台に戻られました。
また、本年度より寒川研で博士研究員をされる林(Lin)さんも台湾から来日しました。

3/31

寒川研で博士研究員を勤められていた王(Peter)さんが、2010年度で寒川研を卒業されました。
Peterさんは、寒川研在籍中に多くのすばらしい成果を挙げられました。

4/12

本日、伊藤秘書が職場に復帰されました。
これで寒川研所属のスタッフ・学生全員が研究室に復帰しました。














3月11日の震災後から4月3日復興までの3週間の寒川先生からのメールと写真


3/16 避難期間の課題に関して

3月17日より順次実家などへの帰省(避難)を開始しますが、その期間を是非有効に活用してください。
以下に私が特に期待する事項を記します。

1)修士2年の戸村君、佐々木君は今までの研究成果のまとめを3月25日を目処にお願いします。
戸村君はファンさんとの議論を通して論文をまとめてください。佐々木君は和田君に引き継ぐためのデータ整理をお願いします。

2)博士2年和田君、博士1年五十嵐君は、既に結果の出ている内容に関して論文化をお願いします。
和田君はSi酸化のFull論文およびGe酸化のレター、五十嵐君はPLのNature Nanotechnologyへの論文。
3月末を目処に私に提出してほしい。

3)助教・ファンさん、Peterもそれぞれ論文を完成させてください。3月末を目処に提出願います。

4)現在のところ4月5日開催のCREST寒川チームの打ち合わせは予定通り開催したいと考えています。
助教・ファンさんと博士1年・五十嵐君は領域会議以降の新しい結果に関して、まとめたものを3月末に提出願います。
それを基に平成22年度成果報告書を私が書きます。


3/18 気をつけて退避生活を過ごすように

明日朝、和田君、五十嵐君、荒木君、田村君、高山君がそれぞれ親元親戚に退避します。
これで、寒川と尾崎さんを除き、退避は完了します。私としてはひとまずほっとしております。
余震は大分落ち着き、仙台市内も物資も少しずつ増え、ライフラインも少しずつ回復しています。着実に復旧しています。
原発も東京電力・自衛隊・警察・消防の決死の努力で放射能は少し低下しています。
おそらく、来週一杯には落ち着くものと思っております。退避生活では、
今回の災害を契機に自分の今後の人生のあり方をじっくり考えてください。
自分の身は自分で守らなければならない、自分の身を守るためには自分自身に力をつけなければならないことを痛感したと思います。
この経験を前向きに生かしましょう。先日送付した課題を是非退避期間中に行い、
4月4日からの研究室回復をスムースにできるように備えてください。
これから日本の国家的危機を皆で一丸となって頑張りましょう!退避期間中はくれぐれも気をつけて過ごすように。


3/21 仙台の現在の状況

仙台は大分落ち着きを取り戻し、スーパーでも大分ものが入るようになりました。
また、レストラン、美容院など少しずつ再開しています。
一部銭湯なども開店しはじめ、明らかに復旧しつつあります。電気は完全に復旧し、仙台中心街では水も復旧しました。
今月末には市内全域で水道が復旧するようです。ガスに関しても本日の仙台市長の会見では、
23日水曜日から一般家庭に順次復旧していくようです。
3月中にはライフラインはかなり復旧するようです。また、今度、寒川研究室の准教授となる久保田君は既に住居を確保し、
24日に仙台入りして契約を結ぶそうです。
さらに助教として神戸大から着任する胡(Hu)さんも住居が確保でき、久保田君と一緒に4月1日には着任予定です。
皆さん、もう少しですので頑張ってください。そして、4月初には皆で集まれることを心より願っております。
また、一緒に世界に注目される研究を発信しよう!!


3/22 研究室現状と今後研究室復旧予定

仙台市内のライフラインも前倒しに復旧してきました。
今まで水が通っていなかった我が家も本日水が復旧し、ガスも早くも今週中に復旧するそうです。
皆必死に復旧活動をしてくれて、思いのほか早く復旧が進んでいます。日本人の底力を見た思いです。
大学も、今週中は先週と同様に可能な範囲で復旧活動に従事するということになっていますが、
来週3月28日からは通常通りの業務に復帰します。
寒川研究室も装置へのダメージは殆どないことが分かり、詳細なリークチェックなどをはじめました。
また、以下のように寒川研究室関係者も研究室に復帰・来訪されます。

3月23日:TEL大竹さん(寒川研究室OB)が来研し、TEL関係者がしばらく寒川研究室復旧支援を行なう予定。
3月24日:久保田准教授が仙台入り、住居契約を行なう。
3月25日:クリーンブース業者がクリーンブースの復旧修繕に来研。
3月28日:黄さん、Peterが帰国・仙台入り予定。Lin博士研究員も同行予定。
3月31日:久保田准教授、胡助教が仙台入り、居を構える。
4月1日:久保田准教授、胡助教、和田博士研究員、着任。
4月4日:装置稼動予定。


3/23 TEL大竹さん、岡田さん来訪

本日、TEL大竹さん、岡田さんが来訪。
岡田さんは暫く寒川研究室に滞在し、研究室の復旧および共同研究の遂行に務められます。
皆さんが戻られたらおられますので、よろしくお願いします。




3/23 仙台の現状

仙台では復旧が猛スピードで進んでいます。
我が家(中山台)でもガスが明日から復旧、中心街だけでなく、郊外でもスーパーはほぼ通常通りの営業になりました。
東北自動車道も明日から一般に全線開通のようです。宅急便関係も大分回ってきているようです。
寒川研究室の新旧スタッフも来週前半に集まり、4月初研究室再開の目処がたってきました。
更に東京エレクトロンの方が二人常駐しています。皆様安心してください。


3/24 久保田さん来研

本日、添付ファイルのように久保田准教授(予定)が来研され、マンション契約と転入届けを済ませました。
午後は彼とオンウエハーモニタリングに関する打ち合わせを、東北テクノアーチ・石山さんと一緒に行ないます。
また、伊藤秘書から本日連絡がありました。彼女も来週には一度仙台に来るとのことです。
これで全員との連絡ができまして安心しました。
皆で復興に向けて頑張りましょう。


3/25 戸村君も参加

本日午後より戸村君も寮から駆けつけ、動作確認・リークチェック作業に参加してくれました。
就職直前まで研究室のために尽力してくれています。感謝感激です。


3/25 佐々木君、卒業

修士2年生の佐々木君ですが、本日3月25日を持って、寒川研究室における研究教育活動の全てを終了し、
和田君への引継ぎ事項を全てまとめてもらいました。彼は3月27日に東京に向かい、4月1日から東芝に入社いたします。
最後は震災のため十分に思い出を語ることはできませんでしたが、最後に記念に写真をとりました(添付ファイル)。
希望に満ちた彼の笑顔に感動すると共に、残る私どもも更に頑張らなくてはならないという思いを新たにしました。
一緒に頑張りましょう。


3/26 寒川研究室今後の予定

皆様、仙台は超ハイスピードで復旧しています。ライフラインは全て復旧の目処も立ち、
生活もほぼ通常通りになりつつあります。日本の底力を感じています。 そして、寒川研究室ですが、
24日から東京エレクトロンの技術者および久保田准教授、修士2年戸村君の支援をいただきながら、
装置の詳細動作チェックなどをスターとさせました。装置のダメージは殆どないようですが、
危険なガスを用いる場合のリークチェックなどきちんと行なう必要がありますので、是非皆さんの力も借りたく、
可能な範囲で手伝ってください。3月28日には黄さん、Peter、Linさんが帰国来日、29日には和田君が仙台に戻り、
31日には久保田准教授と胡助教が仙台に入ります。
4月1日には全ての新旧スタッフが勢ぞろいし、久保田君、胡君、Lin君の着任式を行ないます
(4月1日はちなみに寒川の誕生日でもあります)。
そして、4月4日からは研究室完全復活とします。
そこで、予定通り、4月9日(土)に平成23年度・寒川研究室キックオフミーティングを開催することとさせて頂きたいと思います。
可能な限り、新入生・在校生・新旧スタッフ・OBの参加をお願いします。
こんなときだからこそ、更に頑張って世界があっと驚く成果を発信していきましょう!


3/28 戸村君卒業、TEL渡部さん来研

本日まで研究室の復旧に携ってくれた修士2年戸村君が、30日から東京に行くので卒業写真をとりました。
彼は東京エレクトロンATに入社し、暫く東京山梨で研修を行った後、仙台の事業所に戻る予定だそうです。
産後の最後まで論文をまとめ、そして研究室の復旧に尽力してくれて私は心より感謝したいと思っています。
残る皆様は是非戸村君に感謝してください。また、本日より東京エレクトロンより岡田さんに続いて渡部さんが来研されました
渡部さんは装置のプロなので、更に復旧が加速されることと思います。
本日確認された問題は、塩素中性粒子ビーム装置の搬送系が作動しないとといことです。
この件に関しては本日戸村君が電気的な接触などを確認し、明日黄さん達が研究室に着たら引き継ぐ予定です。
皆さんも是非各装置の復旧・確認にご協力ください。よろしくお願いします。



3/29 ファンさん帰国来仙

本日ファンさん、Peterが仙台に戻りました。
また、新しいメンバーDr.Lin (Jackと呼んで欲しいとのことです)さんが来研しました。
また、突然田村が現れ、びっくりしました。そして本日我が家にガスが通りました。
徐々に皆さんが仙台に戻ってきてくれて大変うれしく心強いです。



3/30 高山君、卒業

本日、高山君が卒業の挨拶と荷物の整理に来研しました。
彼の実家の盛岡もライフラインが復旧し、通常の生活に戻りつつあることを聞き、日本のすごさをあらためて感じました。
高山君は寒川研究室で、研究への姿勢・や探究心を学んだと言ってくれました。
そして、それを今後の人生に生かしたいと言ってくれました。そんな学生の言葉は教師冥利につきます。
感動しました。最後に高山君は迷惑をかけた戸村君に挨拶したかったと言っていました。
寒川研究室在学生・OB一体となり、日本の復興のため皆で頑張りましょう!!



3/31 Peter、卒業(台湾への帰国)

本日Peterさんが、最後になります。
Peterは最後まで技術の引継ぎ、装置のチェックに尽力してくれて、論文もまとめてくれました。
Peterが作ったGaAsエッチング条件はどのデバイスでも超低損傷の効果を発揮しています。
本当にご苦労様でした。これからも日本・台湾間の架け橋になってくれるでしょう。




4/3 着任式、市橋安原お弁当

皆さん、尾崎さん、TEL支援者、ファンさん、Peterのおかげで4月1日に寒川研究室完全稼動にこぎつけました。
東京エレクトロン・岡田さん、渡部さん(添付ファイル)に心より感謝したいと思います。また、4月1日には久保田准教授、
胡助教、林ポスドク、和田ポスドクの4名が新たに着任して、夜国分町で簡単な着任式(添付ファイル)を行ないました。
皆こんな状況での着任にもかかわらず、笑顔で大変ありがたいです。平常時よりも一体感が強くなったようです。
そして、そのとき私の誕生日祝い(添付ファイル)もしてもらいサプライズでした。心より感謝いたします。
そして更にサプライズ。翌4月2日は泉のジムが再開したので、3週間ぶりにジムで汗流し、サウナ入って、
その帰りに十分に仙台でも出回ってきたガソリンを全く並ぶことなくガソリンスタンドで満タンに入れて帰宅し、
女房とくつろいでいました。そろそろ女房と私の誕生日祝いに予約していたフランス料理レストランに行こうとしていた折、
突然、普段全くつながる事のない安原からの携帯電話が鳴りました。
今先生の家の前にいるという。びっくりして玄関を出てみると、
笑顔の安原と市橋が立っていた(プリウスで来たという)。車の後ろには、すし屋で作らしたという贅沢な弁当、
ガソリン、水などを満載していた。そして、ガソリンは十分にあると言ったら、弁当2つを私に手渡して直ぐに帰って行った。
この心温まる行動には心から感動したし、嬉しかった。気の良い、熱い寒川研究室出身者らしい行動である。
彼らはいくつかの被災地の知り合いを訪ねて弁当・ガスリンを渡して帰るという。本当にその気持ちはありがたいと思います。
でも、指導教官としてはこのような無謀な行動はもう二度としないで欲しいと言いたい。
万が一、事故などがあったらもともこもない(きちんと被災地の状況など確認してから来てください)。頼むぞ!
皆さん、寒川研究室メンバーはこのように熱く気持ちの良い人間の集団です。
本年度も世界を目指して熱く語ろう。





To the previous page