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共同研究部門(ケーヒン)リーダご挨拶

教授 石本 淳

東北大学流体科学研究所は、同研究所内に株式会社ケーヒンと共同で「先端車輌基盤技術研究(ケーヒン)」の共同開発部門を開設し、将来の車輌の基盤技術として期待される次世代燃料噴射装置と空調システム領域の研究を2015年4月1日から共同で開始いたします。 本共同研究部門では、主に流体工学(Computational Fluid Dynamics)を用いたシミュレーション技術と実験検証の高度化と、その応用に関する研究を行います。

先端微粒化解析工学を用いたインジェクター噴霧予測研究
燃料噴射装置であるインジェクターの設計においては、燃料噴霧・微粒化特性の解明が必要です。ポート型インジェクターならびに直噴インジェクターは更なる燃費、熱効率アップが求められており、噴霧性能向上、最適化が最重要課題となっております。特に燃費の良い直噴型エンジンにおいて用いられる直噴インジェクターにおいては高温・高圧下における微粒化噴霧現象の解明が必須であり、コンピュターシミュレーションを実施するためには、従来型とは異なる新しい微粒化モデルと計算手法を開発する必要があります。そのため、計算手法の異なる1次微粒化(プライマリアトマイゼーション)と2次微粒化(セカンダリアトマイゼーション)の連続統一解析が可能となる先端微粒化解析工学を用いた直噴インジェ クターの噴霧微粒化特性に関するスーパー コンピューティングを実施します。研究目標として、@内部流れからの微粒化現象(1次・2次微粒化)と燃料液滴(粒径)の変化の解明、A内部流れからの噴霧の拡散、ペネトレーションの定量予測、噴霧減速メカニズムの解明と各種微粒化統計解析手法の確立を目指します。

空調領域研究
近年カーエアコン用空調ユニットは小型/軽量化/快適性向上のニーズが高く、それに伴い特に 風を送るブロワ(BLW)ユニットでは、コンパクトな サイズと低騒音化に取り組んでいます。しかしながら、現状の空調ユニットは機種多数でありレイアウト優先となるケースが 多く商品性を犠牲にすることが有り、相反する特性である「風量、騒音と小型化」を 設計構想段階にて検討する必要があります。そこで本研究においては、空調ユニットの更なる小型化/低騒音化を図り、商品性向上をはかることならびに通常の設計プロセスへ適用できるCFD手法を開発します。すなわち、空調ユニットにおける高効率と低騒音を可能にする理論的技術構築を行い、2020年モデルへの小型化/低騒音ブロワユニット仕様反映を目指します。本研究においても東北大学の流体科学知識とスーパーコンピュータをフルに活用します。

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