研究テーマ

沸騰現象の数値シミュレーション

 沸騰現象は、濡れ特性による固気液三相接触線や薄い液膜の形成と蒸発が小さなスケールで生じるため、そのマルチスケール性を考慮した解析モデルが必要となります。本研究室では、これらの現象の理解と熱流体システムの高性能化のために、壁面近傍で生じる相変化を伴う熱流体現象のモデル化とその数値シミュレーションを進めております。微細管内で生じた蒸気気泡の膨張による液膜形成過程や動的接触線での蒸発現象を考慮した対流沸騰熱伝達の解析などを行っています。

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図. 直径200μmのマイクロチャネル内の蒸発伝熱と気泡膨張の数値シミュレーション

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図. せん断流中での単一気泡沸騰シミュレーション

加熱翼形まわりのキャビテーション

 小型の熱交換器において、内部の流動が高速化し、キャビテーションによるものと考えられる壊食が問題となっています。今後も、高性能な冷却システムや熱交換器の小型化の需要が増しており、壁面との熱交換を伴う系におけるキャビテーションの解明が必要です。その一方で、加熱条件下でのキャビテーションの研究はほとんどされていないため、キャビテーションの発生形態などの基礎的な知見を得ることを進め、沸騰とキャビテーションの統一的な理解を目指しています。

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図. 加熱されたNACA0015翼形まわりのキャビテーションの様相