人間は体内に血液という流体の流れを抱えています。流体科学研究所は流体工学の最先端の手法を用いて、血流を研究してきました。この血流現象の解明を、健康の維持や病気の治療に応用することが、ライフサイエンスクラスターの目標です。その目標を実現するために、いま私たちは二つのプロジエクトを推進しています。
「健康のシミュレーションと制御」プロジエクトでは、スーバーコンピュータを駆使した計算モデルに基づいて、健康状態のシミュレーション(予測)と制御(治療と予防)を実現し、医療技術の革新を目指しています。脳梗塞や心臓疾患など、血流と深い関係のある疾患の予防と治療に、私たちが取組んできた血流研究が貢献することが期待されています。
「生体機能システムの創成」プロジェクトでは、「バイオミメティクス」と呼ばれる学際的分野の研究に取組んでいます。生体(バイオ)の持つ様々な機能を模倣(ミメティック)して、それを技術開発に利用しようという研究です。生体研究の研究成果を機械工学に還元して、新しい流体機械システムを創成しようとするプロジェクトです。


    
佐藤岳彦 教授 (ライフサイエンスクラスター長)


大気圧プラズマ流と生体の干渉機構
大気圧プラズマ流の気液界面現象の解明と化学種輸送機構
大林茂 教授


非定常流れ場のデータマイニングの研究
小原拓 教授

バイオミメティクス流体機械の基礎研究
生体膜の構造と輸送特性

高木敏行 教授
経皮磁気刺激による生体の診断と治療
中野政身 教授
MRアクティブ負荷機を活用した上・下肢リハビリ用筋力評価・訓練システムの研究開発
随意・電子制御大腿義足MR流体膝継手の研究開発
ER流体駆動モバイル型点字表示システムの開発

西山秀哉 教授
生体材料を活用した磁気粘性流体デバイスによる生体流動制御
早瀬敏幸 教授


生体計測とシミュレーションの一体化による診断と治療の高度化
圓山重直 教授


高精度伝熱制御技術の医療機器への展開に関する研究
石本淳 准教授

ヒトiPS細胞の超高熱流束ガラス凍結技術の開発
太田信 准教授

治療シミュレーション
生体組織疑似モデルの開発
小宮敦樹 准教授
生体高分子の複雑系内拡散現象解明に関する研究
治療シミュレーション
生体組織疑似モデルの開発
白井敦 准教授
微小循環における好中球の流動特性に関する研究
脈診を模擬した脈波計測システムの開発
岡島淳之介 助教
凍結手術用微小クライオプローブに関する研究
生体組織等の熱物性値の逆問題解析による同定
下山幸治 助教
非定常流れ場のデータマイニングの研究
スポーツ工学における進化的計算の応用研究
寺田弥生 助教
生体系などのコロイド分散系におけるダイナミクスの解明
船本健一 助教
医療計測と数値シミュレーションを融合した血流解析
低酸素下のマウス胎仔脳内の超音波計測による血流評価