未到エネルギー研究センター長挨拶
東北大学
流体科学研究所
教授
石本 淳
ISHIMOTO Jun
SDGsに立脚した新たなエネルギー技術立国日本を
 本研究センターは、流体科学研究所で長年培われてきた燃焼、地熱、原子力、水素、グリーンナノテクノロジーを結集して、SDGsに立脚したエネルギー社会基盤を実現すべく、活動を推進しております。2011年の大震災により、原子力発電に代わる新しいエネルギーシステムの開発が求められております。
 従来型のエネルギーだけでも、また、再生可能なエネルギーだけでも今後の日本のエネルギー問題を解決することは難しく、従来型エネルギーにおいてエクセルギー損失ミニマムを実現するとともに次世代再生可能エネルギーの超高効率化を実現することで未到エネルギー領 域をブレークスルーし、化石燃料の使用を極限まで抑制した環境調和型エネルギー供給システムを実現することが必要不可欠になっています。更に、これらの創エネルギーを調和的に組み込んでいくスマートエネルギー供給システムを確立し、SDGsエネルギー社会基盤を実現す ることが求められております。
 流体科学研究所では、従来からナノ界面材料構造制御技術、超低損傷プロセス技術、マイクロ燃焼技術、大深度環境測定技術および 非破壊評価技術を基に、革新的エネルギー生成貯蔵技術及び管理保全技術,高密度水素エネルギー循環技術を確立してまいりました。今後はこれらの研究に加え、最適化設計技術の導入により、コストと効率のバランスを踏まえた各種発電方式の融合および発電システムと蓄 電システムの融合による革新的スマートエネルギー供給システムの実現を目指す研究を行い、持続可能社会に貢献したいと思います。また、将来のエネルギー技術立国日本の実現に向けて、ビジネスモデル構築やエネルギー科学技術政策提言も積極的に行っていきたいと 思っております。
 そのために学内外や海外との連携も積極的に進め、世界から人材が集結し、世界に技術及び人材を発信できる未到エネルギーセンターにしていきたいと決意しております。