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東北大学 流体科学研究所システムエネルギー保全研究分野 高木・小助川研究室 三木研究室

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高木教授のメッセージ

 システムエネルギー保全研究分野では、電磁現象を利用した機能性材料の創成や評価、センサや非破壊評価法の研究を国内外の研究者と補完的な形で共同して進めています。研究室の学生には、将来的に国際的な場で国内外の研究者・技術者と伍して活躍してくれるようになって欲しい。そのためには、
  1) 研究を深める執着心を身につけ、努力を惜しまないこと、
  2) 語学力を鍛錬し、誰とも協力できるようになること、
  3) 研究室や大学の行事や活動に積極的に関わり、雑用もこなしながらリーダシップを身につけること、
を期待しています。

教授 高木 敏行

当研究分野で学ぶ主な学問と技術

 システムエネルギー保全研究分野は幅広い知識を以って保全技術の高度化に取り組んでいます。研究テーマに応じて、学ぶことができる学問領域や技術の一部を以下に紹介します。より詳しくは、「RESEARCH」を閲覧してください。

  • 渦電流探傷法を用いた非破壊検査・評価技術の高度化

 導電性を有する材料の近くにコイルを設置し、このコイルに交流を与えると、電磁誘導により材料に渦電流が発生します。対象材料に発生した渦電流は、コイルに流れる電流が作る磁場とは逆向きの磁場を発生させます。対象材料に何らかの欠陥がある場合、この逆向きの磁場が変化するので、この変化を捉えることで欠陥を検出することができます。この特性を利用して、磁性材料の劣化診断などに応用する技術を開発しています。また、渦電流の信号から逆問題を解くことで、傷のサイジング(大きさや深さを同定すること)を行う解析技術の開発も行っています。電磁気学の他に、材料組成学や材料力学の知識が必要になります。

  • 電磁現象と超音波を用いた定量的非破壊評価法の高度化

 交流によって相手材に渦電流を発生させ、バイアス磁場と渦電流のベクトル変化からアンペール力を周期的に発生させます。これにより物体内部に超音波を非接触で発生させることができます。非接触で、しかも水やゲルのようなメディアを使用せず超音波を発生させることができることから、高温になった配管の減肉評価などにも適用できます。本研究テーマでは、電磁気学と超音波を総合的に学ぶ必要があり、またデータの解析にはフーリエ変換などの手法を取り入れます。

  • 電磁現象を利用した炭素繊維強化プラスチックの非破壊検査技術の開発

 軽くて強い素材である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、鉄鋼やアルミ合金に変わる革新的な構造材料として注目されていますが、その複雑な構造故に品質保証の手段が確立されていません。電磁非破壊評価法は、CFRPの繊維に関わる欠陥を検出できる可能性があります。本研究テーマは、実験と数値解析の両面からCFRPの電磁気的挙動の機序を理解し、非破壊検査法の一つとして電磁非破壊評価法の技術を発展させることを目的としています。有限要素法を用いた電磁数値解析と複合材料の知識が必要になります。

 
  • 繊維強化プラスチックの機能化と品質保証技術への応用

 CFRPを含む繊維強化プラスチック(FRP)を用いた構造材料は非常に優れた機械的特性を有しますが、電気伝導性が低いために渦電流探傷法が適用しにくく、また弾性波に対する減衰率が高いために超音波探傷法の性能も限られます。つまり、機械的特性が良い反面、品質保証をとりにくい材料であると言えます。FRPの樹脂あるいは繊維に化学的な処理を施すことで、非破壊検査やヘルスモニタリングの性能を向上させようというのが本研究テーマの目的となります。実験には有機化学と無機化学の知識が必要になります。

卒業後の進路

 当研究室で学位論文を執筆した学生は、卒業後、それぞれ国内外の様々な大学や企業へ就職し、広い舞台で活躍しています。以下に卒業後の進路先を列記します。

東北大学
西安交通大学(中国)
北海道電力株式会社
東北電力株式会社
東京電力ホールディングス株式会社
中部電力株式会社
株式会社東芝
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
三井造船株式会社
三井化学株式会社
ファナック株式会社
株式会社豊田自動織機
日産自動車株式会社
日本車輌製造株式会社
住友重機械工業株式会社
旭硝子株式会社
日立化成株式会社
株式会社IHI
三菱重工業株式会社
三菱電機エンジニアリング株式会社
日揮株式会社
株式会社日本製鋼所
全日本空輸株式会社
日本航空株式会社
丸紅株式会社
レバレジーズ株式会社
セイコーエプソン株式会社

システムエネルギー保全研究分野

東北大学流体科学研究所
未到エネルギー研究センター
〒980-8577
宮城県仙台市青葉区片平2-1-1