1. MR流体におけるスローダイナミクスの計算機実験 |
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A. | 研究目標 | B. | 研究成果 |
2次元系における液体−固体相転移現象は現在においてもまだ理解されていない.この現象を扱う上で一般的な理論はKosterliz-Thouless-Halperin-Nelson-Youngらによる、KTHNY理論である.この理論は、液体と固体の間に"ヘキサティック(hexatic)"という相が存在することを予言している.また転移は3次元の液体−固体転移で一般的な1次転移ではなく、高次の連続的な転移であるとも言っている.
ここでは磁性粒子が2次元に分散し、磁気モーメント同士の反発力により起こる2次元相転移についてシミュレーションにより研究を行う.また磁気モーメントの大きさは外部磁場により制御することができ、結果的に外部磁場により相転移を起こすことが可能である.
特に粒子同士の位置の相関についての結果を載せる.ここでいう位置の相関とは2種類あり、距離相関(動径分布関数)と角度相関である.
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さらに下には近接する粒子の個数についての解析を行った結果を示す.2次元結晶で近接粒子数は6個が基本である.これは上のスナップショットを見てみてもわかる. | |
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この図をみるとある部分で非常に急激な変化があり、そこで液体−固体の転移が起こっている.またこのデータからここでは1次転移が起こったのではないかと考えられる. |
参考文献
[1] Akiyama, J., Tokuyama, M., and Terada, Y., Brownian Dynamics Study on Dilute Suspensions of Magnetic Particles in a Static Field AIP Conference Proceedings, 708, 168-169 (2004).
[2] 秋山 承太郎, 徳山 道夫, 寺田 弥生 擬2次元磁性コロイド分散系における融解現象のシミュレーション流体研報告,15, 101-110 (2004).
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