派遣研究者レポート

レポート No.2 中村 寿【NUIG(アイルランド)】(2012年5月1日)

Report 02 中村 寿【NUIG(アイルランド)】私は現在、アイルランド共和国のアイルランド国立大学ゴールウェイ校に滞在し、Combustion Chemistry Centere (C3)の所長を務めるHenry Curran博士と共にバイオ燃料や代替燃料の燃焼化学反応に関する研究を進めています。量子化学計算により燃料の化学反応機構を構築し、これを検証するための着火燃焼試験を急速圧縮試験機や衝撃波管を用いて実施しています。C3は燃焼化学に関する国際的な研究拠点の一つで、私の研究もアメリカ合衆国のローレンス・リバモア国立研究所等と共同で進めており、定期的に電話会議による議論をしています。
ここでの研究を通して、燃焼現象の量子力学レベルにおけるミクロスケールの現象について理解を深める機会を得ています。これまでの私の研究対象は火炎動態等のマクロスケールの現象が中心でした。ここでの研究はすべてが新鮮で、新しいことを日々学びつつ、研究を進めています。新しいことに苦労しつつも、良い意味で予想外の結果を得たり、これまでの工学的経験を生かして実験装置を改良したことで有意な結果を得たり、次第に研究が進んできました。
マルチスケールの現象である燃焼現象を横断的に俯瞰し、各種燃焼機器の燃料多様化やますますの高効率化に資することができるよう、引き続き研究を進めてまいります。


急速圧縮試験機
急速圧縮試験機
化学反応の遷移状態の計算
化学反応の遷移状態の計算
実験・計算結果をHenry Curran博士と議論中
実験・計算結果をHenry Curran博士と議論中

 

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