●電動車輌に向けた熱マネ・熱制御、モータ高効率化に向けた電動化技術の研究
Research on thermal management and thermal control for electric vehicles, electric motor technology
for motor efficiency improvement
【背景】
近年低炭素社会の実現へ向け、電動車輌の高効率・省電力を実現する熱マネージメントシステムの
ニーズが高く、熱制御及び熱源となる損失の低減が要請されています。
【現状と課題】
熱制御に影響を与える損失には、正確に捉え、材料ポテンシャルを限界まで使い切ることが困難な
ものが多く存在します。また、その抑制時には小型化や低コスト化との相反特性を、設計段階で
把握する必要があります。
【目的】
熱制御へ向けた回転磁場中でのエネルギ損失の解明と特性評価・解析技術の確立を行います。
【期待される成果】
東北大学の電磁機能流動熱流体科学に関する知見やスーパーコンピュータ等の活用により、熱マネー
ジメントの理論的技術構築が可能となります。その結果、電動車輌の高効率・省電力に貢献します。
●電動車輌用高熱流束冷却システム研究
High heat flux cooling system research for electric vehicles
【背景】
近年低炭素社会の実現へ向け、電動車輌の高効率・省電力を実現する熱マネージメントシステムの
ニーズが高く、熱制御及び熱源となる損失の低減が要請されています。
【現状と課題】
電動車輌のモータ、バッテリー間の電力をコントロールするパワーコントロールユニットには、電力
変換素子が多数内蔵されています。現行の空冷・液冷システムでは熱輸送能力に限界があり、更なる
パワーコントロールユニットの 小型化を達成する高熱流束冷却システムを実現する必要があります。
【目的】
現行システムの冷却性能を大きく凌駕する、高熱流束冷却システムを実現に向け、システム開発を
行います。
【期待される成果】
東北大学保有する高度な伝熱制御工学の知識と創造性を用いた、現象の可視化と高熱流束冷却実現に
向けた伝熱予測及び伝熱促進技術を確立し、冷却システム最適化設計が可能となります。
●小型・低負荷空調ユニットの熱流動可視化と高精度予測及び最適化研究
Heat flow visualization and high accuracy prediction and optimization research of compact /
low load air conditioning unit
【背景】
電動車輌の消費電力削減、また乗員の快適性向上や車室内空間拡大など、近年それらニーズを
バランス良く満たす空調ユニットの小型・低負荷が求められています。しかし、それら要求から
ユニット内流路形状の複雑化が進んでおり、限られたスペースで冷風と暖風を混合し、適切な
温度と風量で吹き出し口へ配風する仕様を満たす設計が難しくなってきているため、熱流体
シミュレーション技術(特に温度場予測精度)が今後の設計には極めて重要であり、その研究
開発が必須となります。
【目的】
空調ユニット内部の冷風/暖風混合の物理的なメカニズム解明による、熱流体シミュレーション
解析精度の向上を図り、更にこの解析技術を用いてユニット内設計因子への影響度を明確にし、
空調ユニット最適化設計の技術を構築します。
【期待される成果】
東北大学の流体科学 及び 伝熱制御に関する理論的な知見と実験的なノウハウにより、流れの
壁面境界層や冷風/暖風混合場のメカニズムを把握することが可能となり、更に、実測データ
から熱流体シミュレーション解析精度に関わる主要な設定パラメータ(乱流プラントル数、
壁面熱伝達係数、ヒーターコアの発熱量など)を関数化し、温度場予測の高精度化をはかる
ことで、開発初期段階から適用できる小型・低負荷空調ユニットの最適化設計が可能となります。