ifslogo 極低温流研究分野
大平研究室
Cryogenic Flow Laboratory


研究内容

極低温流固液二相流体に関する実験的研究


スラッシュ流体とは?

スラッシュ流体とは液体中に同成分の固体粒子が混在する極低温の固液二相流体であり,スラッシュ水素やスラッシュ窒素がその代表として挙げられます。スラッシュ流体の主な利点としては,液体単相状態と比較して,
  • 密度の増加
  • 寒冷エンタルピの増加
が挙げられます。
[例えば,液体水素(温度 20K)に比べるとスラッシュ水素(固相率 50wt%;温度 14K)では密度が約16%,寒冷エンタルピは約18%増加。]

従って,スラッシュ水素を使用すると
  • ロケットのタンク重量を軽減化
  • 固体粒子が含まれていることから,融解潜熱を利用して熱侵入時の急激な温度上昇を抑制
  • 水素の効率的な輸送・貯蔵も可能なことから,水素ステーションや燃料電池への利用
が期待されています。
また、スラッシュ窒素(温度 63K)は,近年発見された高温超伝導体の冷媒としての利用が考えられています。
≪航空宇宙≫ ≪超伝導≫ ≪水素エネルギー≫
・ロケット燃料
・衛星搭載天文観測衛星の冷却
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・打ち上げ重量の増加
・観測精度の上昇

H2astro
H-UA rocket
(JAXA)
ASTRO-F
(JAXA)
・加速器,核融合炉
・MRI
・リニアモーターカー
・送電ケーブル
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・安定な冷却状態の実現
・超伝導材の特性改善
HTSmagnet
HTS cable
(FURUKAWA ELECTRIC CO,LTD)
Large superconducting magnet
(KEK)
・自動車
・燃料電池
・発電(電力貯蔵)
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・環境問題
・液化技術
・貯蔵技術

FCHVstation
FCHV
(TOYOTA)
LH2 Station Tokyo
(JHFC)
このように様々なメリットを持ち,多くの応用用途が検討されているスラッシュ流体ですが,研究例が少ないのが現状です。今後スラッシュ流体の実用化に向けて,安全で効率的な搬送・貯蔵を行う必要があり,スラッシュ流体の流動特性に関する多くの知見が必要とされています。
そこで本研究室では現在,以下のような研究を行っています。

・ スラッシュ窒素の配管形状の違いにおける管内流動特性に関する研究
・ スラッシュ窒素の熱伝達特性と加熱時の流動特性に関する研究

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