複雑流動研究部門

計算流体物理研究分野

  • 教授服部 裕司

  • 准教授廣田 真

流動現象は、生物レベルから地球・宇宙スケールの諸現象、さらに航空宇宙、地球環境、次世代エネルギー産業などの工学応用など、幅広い分野にあらわれます。コンピュータの飛躍的な発達に伴い、流動現象のコンピュータシミュレーション研究の応用範囲が拡大する中で、シミュレーションの精度に対する要求は高度化し、また大規模データから知見を引き出す手法の開発へのニーズが高まっています。当研究分野では、流動現象の大規模コンピュータシミュレーションに関する研究、すなわち新しいシミュレーション技術の開発とその応用研究を行っています。さらに数理解析的アプローチによる流体力学の基礎研究を行っています。

複雑流動現象の大規模数値シミュレーション研究

流体科学の基礎的な問題から応用的な問題まで幅広く、複雑流動現象の大規模コンピュータシミュレーション研究に取り組みます。特に、乱流を中心とする複雑流動現象を高い精度で解析し、乱流の統計的性質の解明とモデリングに資することを目的としています。
  • 壁面上の隆起構造による境界層遷移の抑制
  • 一様等方性乱流中の渦構造

流動現象の高精度数値解法の開発

自然現象や工業的な場面でわれわれが遭遇する流れは、一般に複雑な形状をもつ物体や、運動・変形する物体を含んでいます。これを高い精度で数値解析により捉えることは複雑流動現象の理解や制御などの応用のために重要であります。そのための数値計算手法の開発と、スーパーコンピュータによる現実的大規模シミュレーション研究を行っています。
  • VP法による数値シミュレーションの結果の例。振動円柱と固定円柱を過ぎる流れ。(左)渦度分布、(右)音圧分布

渦のダイナミクスと数理流体力学

流体現象の解明のために渦運動の理解は重要な役割を果たします。渦の動力学の立場から、渦構造のもつ特性・多様性・普遍性を解明することを目標とし、さまざまな渦構造の性質とダイナミクスについて研究しています。また、流体科学研究の発展においては、基礎的な研究手法の開発・応用は重要な位置を占めます。微分幾何学や解析学などの数学的手法を応用する研究を行っています。
  • 渦輪の曲率不安定性の理論と不安定化した渦輪