ナノ流動研究部門

生体ナノ反応流研究分野

  • 教授佐藤 岳彦

  • 助教LIU Siwei

大気圧における低温プラズマの流れは、熱、光、化学種、荷電粒子、衝撃波などの生成や輸送が簡便に行えるため、近年これらの特徴を利用した殺菌や治療法の研究が進められています。本研究分野では、細胞の活性化や不活性化過程の解明、プラズマ殺菌法の開発、気液プラズマの反応流動機構の解明、ナノ流動現象の解明などにより、プラズマの流れと生体の相互作用について明らかにし、次世代医療技術として期待されている「プラズマ医療」の基礎学理の構築ならびに応用をすすめ、国民の健康を守る新しい医療技術の創成を目指しています。

大気圧プラズマ流による細胞の活性化・不活性化機構

プラズマが生成する化学種が細胞にどのような影響を与えているのかを解明し、プラズマ医療の基礎学理と応用を目指します。現在は、プラズマ流の制御による細胞の活性化や不活性化、ならびにその機構の解明を目指しています*。また、プラズマが生成した化学種の輸送機構の解明も取り組んでいます**。

 *T.Shimizu et al., New J. Phys., 13(2011053025. and T.Shimizu et al., J.Photopolym. sci. Tech., 242011,421.
 **T.Sato, et al. J. Phys. D:Appl. Phys., 44
2011, 372001.

大気圧プラズマ流による生体への干渉機構

新型インフルエンザや院内感染などの感染症対策や新しいプラズマ医療機器の開発のために、プラズマ流中のラジカル生成輸送機構*を実験・数値解析により解明し、滅菌因子や滅菌機構**を明らかにします。また、新しい滅菌装置***を開発します。

*T.Sato et al., Plasma Process. and Polym., 5(2008), 606., T.Sato, et al.., IEEE Trans. Industry Appli., 45(2009),44., T.Miyahara, et. al, Europhys. Lett., 86(2009),45001. and T.Sato et al., New j. Phys., 11(2009),115018. **T.Sato et al., Appl. Phys. Lett., 89(2006),073902., T.Sato et al., IEEE Trans. Industry Appli., 42(2006), 399., T.Sato et al., IEEE Trans. Industry Appli., 43(2007),1159. ***Furui et al., JSME Journal B, 70(2008),879.[in Japanese]

気液プラズマ流による気泡生成消滅機構と水の機能化

気液プラズマの気泡生成消滅過程の流動現象の解明や水の機能性促進を行い、医療・バイオへの応用や環境問題の解決を目指します。 水中プラズマ発生後に酸化還元電位(ORP)が変化することを明らかにし,ORPが変化する機構の解明を進めています。また、高機能水の応用を進めています。