伝熱制御研究分野 -Heat Transfer Control- 小宮研究室

Research研究内容

光を使って、ミクロな世界の熱・物質移動現象を見る・測る

  • 熱物質移動と計測
  • 対流熱物質伝達
  • 熱物性計測
  • エネルギー変換
  • 超臨界流体
  • マイクロ熱流体
  • 熱物質拡散
  • 対流熱物質伝達
  • 熱物性計測
  • 超臨界流体
  • エネルギー変換
  • マイクロ熱流体

対流熱物質伝達Convective heat and mass transfer

自然対流温度境界層の共鳴効果に関する研究

温度境界層変動の可視化

温度境界層変動の可視化

お味噌汁の中の流れや、線香の煙などの流体の密度差によって起因する流れを自然対流と呼びます。自然対流は工業的にも広く利用されており、火力・原子力発電所などに見られる煙突や冷却塔、建築物や太陽電池などの冷却用途に用いられています。

自然対流の興味深い特性としては、固有周波数を持ち、共鳴効果が生じることが挙げられます。高校の物理で習ったように、物体に固有周波数の振動を与えると共鳴が生じ、その振動の振幅が増大します。自然対流も同様で、自然対流に固有周波数の温度変動を与えると共鳴が生じ、その温度変動の振幅は自然対流流れ方向に増大します。

本研究室ではこの自然対流の特性の基礎的メカニズムを明らかにすること、またそれを先に挙げた工業的用途に応用することを目的として研究を行っています。実験には高さ1 mのアルミニウム製の加熱平板を用い、大型位相シフト干渉計を用いて、温度境界層と呼ばれる加熱平板周りの薄い温度の層の変動の可視化を行っています。また、同時に本研究所のスーパーコンピューター(AFI-NITY)を用いて数値解析を行うことで、自然対流温度境界層の共鳴効果による冷却性能の定量的評価を行っています。
 

マランゴニ対流

マランゴニ対流可視化セル

マランゴニ対流可視化セル

熱ふく射による流動場の変化

熱ふく射による流動場の変化

IT社会の現代において半導体の需要は高まっています。半導体の製造方法の1つであるフローティングゾーン法では,製造過程で液柱が形成され,液柱が大きいほど大口径のインゴットを製造でき、安価に加工することが出来ます。しかしながら、地上では重力の影響で大きな液柱が形成できないため国際宇宙ステーション(ISS)の微小重力環境を利用して製造する試みが行われています。そこで問題となったのがマランゴニ対流です。

マランゴニ対流とは,表面張力差によって界面に生じる流れです。表面張力は温度差や濃度差によって変化しますが,微小重力環境では液柱に発生した温度差によってマランゴニ対流が発生し,振動流に遷移したことが原因で出来上がったインゴットに振動性の縞が生じました。そこで振動流遷移の条件を解明するために、本研究室では自由界面の伝熱現象に着目し、液柱よりも簡易的な実験系を用いて熱ふく射の影響評価を行っています。

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