研究内容
更新日時：2010年以前
高圧酸素燃焼
酸素燃焼(Oxygen combustion or Oxy-fuel combustion)は、CO2無排出発電プラント実現の鍵を握る燃焼技術として最近特に注目を集めています。O2/CO2混合気を酸化剤として利用することによって排気ガス内のCO2濃度を高く保ち、これによってCO2の分離・固定に要するエネルギーコストを著しく削減できます。また天然ガスを燃料とする場合には反応物中に窒素原子が無いので、原理的に窒素酸化物のゼロ排出を実現できます。ガスタービンなど高圧で運転される燃焼器では実質的に窒素酸化物の排出上限濃度が総合効率を左右する場合もあり、そのメリットがさらに大きくなります。一方で高CO2濃度かつ窒素を含まない混合気の高圧下における燃焼（高圧酸素燃焼）にはまだ未解明な点が多く、さらに基礎研究が必要です。
当研究室では、ガスタービン燃焼器の安定運転に欠かすことのできない基礎燃焼特性、特に多量のCO2希釈下における燃料希薄条件での安定性解明を目的に、高圧燃焼実験および輻射再吸収を考慮した素反応数値計算を行っています。安定かつ安全なガスタービン燃焼器の運転に資することを目的に、CO2希釈時の燃焼限界特性について調べています。
Flame image of oxyfuel combustion
at elevated pressure
Experimental apparatus
関連論文
- Kaoru Maruta, Kazuki Abe, Susumu Hasegawa, Shigenao Maruyama and Jun'ichi Sato, Extinction characteristics of CH4/CO2 versus O2/CO2 counterflow non-premixed flames at elevated pressures up to 0.7 MPa, Proceedings of the Combustion Institute, Vol. 31: 1223-1230 (2007) doi:10.1016/j.proci.2006.08.013.