丸田・森井研究室/中村研究室

東北大学 流体科学研究所 統合流動科学国際研究教育センターエネルギー動態研究分野 丸田・森井研究室/中村研究室

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研究内容

更新日時:2020/03/30

プラズマ着火

低炭素社会の実現のため自動車の電動化に向けた取り組みが進められているものの、今後数十年間はエンジン搭載車が自動車販売台数の半数以上を占めると予想されています。したがって、自動車用エンジンとして広く用いられている火花点火式ガソリンエンジンの熱効率向上が課題となっています。エンジンの熱効率を向上させる方法の一つとして、燃料希薄燃焼技術があります。しかし、燃料希薄条件では着火が困難となるため、新たな着火手法としてナノ秒パルス放電プラズマ(Nanosecond Repetitively Pulsed Discharges: NRPD)が注目されています。NRPDは非平衡プラズマ(電⼦温度のみが⾼温の活性状態)をナノ秒オーダーのパルス放電によって発生させることで、着火反応を促進させます。一方で、短い時間で反応が複雑に進行するため、その着火促進機構は未だ明らかにされていません。

当研究室ではNRPDを用いた着火促進機構の解明を目指して研究を進めています。NRPDを用いた着火実験では、高乱流場において、NRPDにより形成された着火核の初期形成過程を観察することで、NRPDによる着火促進効果を調査しています。数値計算では、実現象を再現できる詳細なプラズマ反応と燃焼反応を考慮した計算を行い、実験結果と比較することで、着火促進に寄与する化学反応の特定や、最適な放電周波数の調査を行っています。これらの知見を基に、火花点火式ガソリンエンジンへのNRPDの導入を目指しています。

参画したプロジェクト:SIP「革新的燃焼技術」


最適な放電周波数の調査

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