丸田・森井研究室/中村研究室

東北大学 流体科学研究所 統合流動科学国際研究教育センターエネルギー動態研究分野 丸田・森井研究室/中村研究室

TOP > 研究内容一覧 > 冷媒の着火性

研究内容

更新日時:2020/03/30

冷媒の着火性

エアコンや冷蔵庫などの作動流体として用いられるフッ化炭化水素冷媒は、モントリオール議定書やパリ協定による世界的なCO2削減の取り組みにより、環境負荷の低い冷媒へと転換が進んでいます。しかし、環境負荷の低い冷媒は燃焼性を持つものが多く存在するため、安全な利用に向けてその着火性や燃焼特性の把握が必要不可欠です。しかし冷媒は、腐食性を有する燃焼生成物の生成およびガソリン燃料などと比較して燃焼性低いことから、従来手法では着火性・燃焼性の評価が困難をきわめます。

本研究では、温度分布制御型マイクロフローリアクタとFTIRによる化学種分析を用いて、フッ化炭化水素冷媒の着火過程を試験しています。温度分布制御型マイクロフローリアクタは、燃焼性の低い試料を試験することができ、反応管の取り換えが容易であるため腐食性を有する試料を繰り返し試験することが可能です。これまでの研究から、複数の冷媒の着火性および詳細な反応過程を明らかにしており、特に主要な熱発生が起きた後に、フッ化物の燃焼中間体が緩慢に反応する領域が存在することを世界で初めて特定しています。今後はフッ化炭化水素の構造と着火性の関係についてまとめていくとともに、より一般的な燃焼特性と比較することで、フッ化炭化水素冷媒の包括的な評価へとつなげていく予定です。


マイクロリアクタ内で観察された冷媒R32(CH2F2),R410A(CH2F2/C2HF5),R125(C2HF5)のweak flames
冷媒R32(CH2F2)の着火時の反応経路図

関連論文

  • 114.

    Shintaro Takahashi, Hisashi Nakamura, Takuya Tezuka, Kaoru Maruta, Oxidation of a C2HF5/air mixture examined by weak flames in a micro flow reactor with a controlled temperature profile, Combustion and Flame, in press.

  • 106.

    Shintaro Takahashi, Hisashi Nakamura, Takuya Tezuka, Susumu Hasegawa, and Kaoru Maruta, Multi-stage oxidation of a CH2F2/air mixture examined by weak flames in a micro flow reactor with a controlled temperature profile, Combustion and Flame, Vol. 201, 140-147 (2019). doi:10.1016/j.combustflame.2018.12.014

ページトップへ