燃料電池の種類
燃料電池は電解質の種類によって、以下のように分類されます。
固体高分子形燃料電池(PEFC)
電解質 | 固体高分子膜(イオン交換膜) |
燃料 | 水素 |
作業温度 | 常温~約90℃ |
発電出力 | ~50kw |
発電効率 | 30~40% |
特徴
- 常温で作動
- 小型軽量化が可能
用途
家庭用、自動車、携帯機器、自動販売機等
りん酸形(PAFC)
電解質 | りん酸(H₃PO₄) |
燃料 | 水素 |
作業温度 | 約200℃ |
発電出力 | ~1000kw |
発電効率 | 35~42% |
特徴
- 運転実績が最も多い(4万時間以上)
- 運転実績が最も多い比較的小規模で発電効率が高い
用途
業務用(病院、ホテル、ビル等)
溶融炭酸塩形(MCFC)
電解質 | 炭酸リチウム等(Li₂CO₃) |
燃料 | 水素、一酸化炭素 |
作業温度 | 約650℃ |
発電出力 | 1~10万kw |
発電効率 | 40~60% |
特徴
- 多様な燃料が使える
- 排熱の利用価値が大きい
用途
分散電源(※1)、工場、火力発電所の代替等
※1:町や村など一定地域の電力をまかなう電源
固体酸化物形(SOFC)
電解質 | 安定化ジルコニア(ZrO₂+Y₂O₃) |
燃料 | 水素、一酸化炭素 |
作業温度 | 約1000℃ |
発電出力 | 1~10万kw |
発電効率 | 40~65% |
特徴
- 発電効率が高い
- 改質器が不要
用途
家庭用、業務用、分散電源、火力発電所の代替
参考文献
- 池田宏之助編著『燃料電池のすべて』日本実業出版社
- 本間琢也監修『図解 燃料電池のすべて』工業調査会
- NEDO技術開発機構ホームページ
- 日本ガス協会ホームページ
- 東京ガスホームページ