我々の研究室では、極超音速流やそこでの乱流遷移など航空宇宙機の鍵となる熱流体現象に対し、数理科学と最新の数値計算および実験技術を融合した研究を展開しています。特許技術の微小表面粗さ(DMR)による空気抵抗低減の実証研究や、JST CRESTプロジェクトでの数学者との共同研究では、「遷移・剥離・再付着」など一般に予測の難しい数学的「分岐」現象に対し、統計モデルのみによらない支配方程式の数理的根拠に基づく次世代の流動予測体系を構築しています。また、世界最大級の磁力支持天秤装置(MSBS)や弾道飛行装置を駆使し、ロケットの再使用化や極超音速機の実用化に向けた革新的技術の創出に挑んでいます。
研究室紹介ムービー(2021年版)
「流れ」は、高速飛翔体やジェットエンジンの性能をつかさどる 最古かつ重要な工学課題です。「流れ」に対しては支配方程式が発見されており、これによって、船舶や旅客機など輸送機の性能、データの少ない大気圏突入する再使用ロケットの性能、他の惑星での輸送機性能や銀河の形成さえも説明できるはずです。しかし、流れの非線形、散逸、偶然性の性質である「乱流」や「遷移」を説明するのは、いまだに容易ではありません。歴史的に、私たちはこの複雑現象の理解に多大なる努力を注ぎ、利用しようとしてきました。現在、実際に航空機の開発現場では、例えば乱流モデルは汎用的に使用されています。新たな知見を生かせば、開発品の生産性・信頼性のさらなる向上が期待でき、知見は他の複雑現象にも応用できます。このように私たちは、複雑現象の典型例でもある決定論的支配方程式に基づく「流れ」の精緻な理解と、さらにそれによる革新的で実現性の高い工学技術の提案を目指しています。
平板での層流-乱流遷移の様子
私たちは「理論的裏付けに基づく安全性」を自らの手で創り出し、日本の航空宇宙開発を次のステージへ引き上げたい人を待っています。数学が好きな人から、技術を実機適用まで持っていきたい人まで、多様な才能を歓迎します。
"既存手法のマイナーチェンジに留まらない、真の技術革新をここから起こしませんか"
当研究室は、東北大学工学研究科 航空宇宙工学専攻、東北大学工学部 機械知能・航空工学科を兼務しています。他大学からの進学や社会人博士も積極的に受け入れています。