固体表面の分子修飾法および各種TIM材料に関する探索と適用 佐藤 正秀

グループリーダー

佐藤 正秀( 宇都宮大学 )  メンバーページ

研究目的

  • 固体表面へのSAMを用いる各種有機分子修飾膜形成や、アルカンジチオール、メルカプトシラン、アミノシラン修飾酸化グラフェンなどの低分子化合物を用いる各種分子接合界面の形成と構造解析を行う。
  • 高分子交互吸着膜イオン流体などのソフトマター(SM)を連続相、金属ナノワイヤ、表面修飾酸化グラフェンなどの異方性ナノ材料を分散相とする新たな TIM を構築する。
  • 計算グループ(東北大)、界面熱抵抗評価グループ(産総研)などとの密接な連携により最適な伝熱界面の創成を目指す。


分子接合界面の例:アミノシラン修飾酸化グラフェン固定ガラス基板


ナノ材料の例:マイクロ波ポリオール合成銀ナノワイヤ


シングルモードマイクロ波反応装置

全体計画の中での意義

  • MDシミュレーションから予測される最適組成を持つ分子修飾膜や分子接合界面をサーモリフレクタンス計測評価可能な実レベル(数cm以上)で均質に合成することで、理論と実測の橋渡しを担う。
  • イオン液体、Layer-by-layer型交互累積膜などのSM系TIMと、イオン液体にカーボン系ナノ材料を、交互累積膜に金属ナノワイヤを、それぞれ高度分散させた複合系TIMの開発を行う。

研究計画と方法

  • SAM修飾膜、分子接合界面や各種SM系TIMの合成とその構造解析を行う。
  • (1年目) 官能基の分子鎖長や末端構造の異なる各種SAMで表面修飾した固体表面の形成とXPS、AFMなどによる表面構造解析
  • (2年目) 末端が同種・異種固体表面と化学結合するSAMを介した分子接合界面の形成手法の確立とその構造解析
  • (3年目)ポリアクリル酸(PAA)/ポ゚リエチレンイミン(PEI)交互吸着膜 やイミダゾール系イオン液体([BMIM][X])などの SMを用いたTIMの開発と、SM系連続相へ高濃度で均一分散可能な各種ナノ材料表面修飾・分散プロセスの構築
  • (4年目以降) ナノ材料分散型SM系TIM材料の合成、異方性ナノ材料の界面配列制御を組み込んだTIM材料の合成

目標

  • (3年間) SAM修飾膜や分子接合界面の合成、各種SMへ高度分散可能なナノ材料表面修飾・分散プロセスを確立する。
  • (5.5年間) SAM修飾から複合系TIMに至る材料合成と、これらの組み合わせによる実用的界面熱抵抗低減法の構築