リエゾンオフィス ニュースレター No.2
2002年2月16日
東北大学とモスクワ国立大学間における
学術研究協力の展望について
1.総長会談
2001年11月2日、モスクワ国立大学Sadovnichii総長が東北大学阿部総長との会合のため東京を訪れた。会合では両大学間の共同研究の推進と大学間レベルでのリエゾンオフィス設立に関する打ち合わせが行われた。
両大学間の学術協定は、学生の交流や共同研究の実現といった面でまだ十分に活かされていないのが現状である。両部局間での学生の交流に関する協定は1998年に調印が行われているが、その後文部省の国費留学生による工学研究科博士課程入学者1名を除いてはまだ実現には至っていない。唯一リエゾンオフィスの設立が実現に至ったものである。具体的な方策については共同顧問委員会の場で協議することとした。
両大学の総長は2002年6月にモスクワで再び話し合いの場を設け、共同研究の成果の達成、大学間レベルでのリエゾンオフィスの設置について話し合うことに合意した。
2.第二回共同顧問会議
去る2001年12月5日、東北大学流体科学研究所に於いて第二回リエゾンオフィス共同顧問委員会が開催された。流体科学研究所の谷順二所長が議長を努めた。
この共同顧問委員会では共同研究プロジェクトの今後の進め方について議論がなされた。これまでに行われた共同研究プロジェクトは東北大学流体科学研究所高木敏行教授とモスクワ国立大学低温物理学科Vasiliev教授の
「Ni2MgGaホイスラー合金の磁気誘起形状記憶効果と巨大磁気歪み」だけである。この高木教授とVasiliev教授の共同研究はリエゾンオフィス開設のかなり前に立ち上げられたもので、これが両研究機関の共同研究の基礎となった。
現在、Sysoev教授の消火設備の研究プロジェクトと圓山教授の共同研究など何件かの新しい共同研究プロジェクトの可能性が検討されている。また、同種の研究を行っているロシア側の共同研究者とコンタクトできるように、
数人の日本側の研究者がモスクワを訪問することが決定された。2002年3月には東北大学金属材料研究所の本河光博教授、流体科学研究所の内一哲哉講師、羅雲助手がそれぞれ共同研究プロジェクトの立ち上げのためモスクワ国立大学を訪問する予定である。
第二回共同顧問委員会で検討されたその他の問題としては、文化面での人的交流の計画があった。2002年度にはモスクワ国立大学の学生数名が東北大学
Junior Year Program への参加を予定している。
阿部博之総長のモスクワ国立大学訪問の見通しについても議論がなされ、共同顧問委員会のメンバーも参加する予定で、2002年6月にモスクワ国立大学で開催されるモスクワ磁性国際シンポジウム(MISM'2002)の開催期間中に設定するのが適当であるという意見が出された。
詳しい日程等については審議を経て決定される予定である。
Edited by Vera VASIL'EVA and Naoko EJIMA
<本ニュースレターの関連URL>
http://www.eng.tohoku.ac.jp/ISRE2000/
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/
http://web.bureau.tohoku.ac.jp/international/
http://www.tohoku.ac.jp/index-e.html
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