リエゾンオフィス ニュースレター No.4
2002年6月30日
阿部博之東北大学総長らが大学間リエゾンオフィス
開所式に出席のためモスクワ国立大学を訪問
2002年6月19日〜22日にかけて、阿部博之総長率いる東北大学代表団が、モスクワ国立大学を訪問した。今回の訪問の目的は、リエゾンオフィス設置に関する覚書の調印と、大学間リエゾンオフィスの開所式への出席であった。

1.リエゾンオフィス設置に関する覚書に調印
6月20日、モスクワ国際磁性シンポジウム(MISM'2002)の開会式において、モスクワ国立大学のSadovnichii総長が歓迎の挨拶とともに阿部総長を紹介し、阿部総長がシンポジウムの出席者及び組織委員会の前で、東北大学について紹介した。
その後、両大学の総長が会談を行い、国際協力プログラム、今後の共同研究の見通しについて議論した。阿部総長、Sadovnichii総長が大学間協定に基づくリエゾンオフィス設置に関する覚書に調印し、両大学間の学生交流プログラムに関する課題を明らかにした。この調印式にはモスクワ国立大学側から、国際交流担当V.
Sidorovich副総長、教育担当V. Mironov副総長、物理学部長V.
Trukhin教授、基礎医学部長V. Tkachuk教授、事務局長O.
Raevskaya教授、低温物理学科長A. Vasil'ev教授の6名が出席した。
2.リエゾンオフィス開所式
リエゾンオフィス設置に関する覚書の調印後、阿部総長、Sadovnichii総長らは、物理学部低温物理学科へ移動し、モスクワ国立大学内東北大学リエゾンオフィスの開所式に臨んだ。両大学の総長がテープカットを行い、シャンパンで乾杯の後、ロシアの古い伝統に則ってグラスを割り、今後のリエゾンオフィスの発展を祈念した。Sadovnichii総長は「これは長い道程の始まり」と述べた。その後、東北大学代表団は、Sadovnichii総長主催の歓迎昼食会に招かれた。

3.今後の国際交流
東北大学代表団は、国際交流担当のV. Sidorovich副総長と会談した。この会談の中でSidorovich副総長は、佐藤滋留学生センター長と、両大学間の学生交流の見通しについて話し合った。両大学間では1998年に既に学術交流協定が締結されていたが、実際に学生交換プログラムによる学生の交流はまだ行われていなかった。しかし、今回の協定締結により、学術交流が実際に始まることとなった。既に、モスクワ国立大学の学生2名が2002年10月開始の「東北大学短期留学生受入プログラム(Tohoku
University Junior Year Program in English)」の選考を通過し、プログラムに参加することが決定している。
4.基礎医学部視察
代表団はモスクワ国立大学にて基礎医学部と物理学部の2つの学部を視察した。
基礎医学部は1755年のモスクワ国立大学設立当初からある学部である。1930年には一旦独立し、モスクワ医学アカデミーとなったが、1992年に再び統合され、現在の学部が設立された。この学部の主な目的は一流の医学の専門家を育成すること、様々な分野の研究者の成果を一体にし、医学の基礎研究を行い、疾病に対する新しい診断、治療の方法を導入することにある。今回代表団がこの学部を訪問したことにより、基礎医学の分野での共同研究につながるものと期待される。東北大学には、大学院医学系研究科・医学部及び医学部附属病院、大学院歯学研究科・歯学部及び歯学部附属病院、加齢医学研究所、大学院薬学研究科・薬学部などがあり、今後実りある共同研究が行われる余地が大いにある。代表団は、基礎医学部長V.
Tkachuk教授と面会し、主な研究データについて紹介を受け、キャンパス内を案内された。

5.物理学部視察
続いて代表団は、主要な学部の一つである物理学部を視察した。同学部の物理学研究の伝統はモスクワ国立大学設立当初にまで遡る。両大学の共同研究において、物理学部は既に重要な役割を果たしてきており、現在もその役割は継続中である。そのために2001年9月、東北大学流体科学研究所のリエゾンオフィスが同学部内に設置された。同学部はまた、既に始まっている両大学間の共同研究を最初に行った学部でもある。低温物理学分野のいくつかの共同研究が現在進行中で、その他にもいくつかのプロジェクトが協議の段階にある。
物理学部長のV. Trukhin教授と同副学部長のP.
Kashkarov教授が代表団一行を歓迎し、モスクワ国立大学物理学部と東北大学流体科学研究所、金属材料研究所、電気通信研究所、東北アジア研究センター、大学院工学研究科、その他各研究所、大学院研究科・学部との間の共同研究の見通しについて議論した。
Edited by Vera VASIL'EVA and Naoko EJIMA
<本ニュースレターの関連URL>
http://www.eng.tohoku.ac.jp/ISRE2000/
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/
http://web.bureau.tohoku.ac.jp/international/
http://www.tohoku.ac.jp/index-e.html
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