Students' Voice

リヨン第一大学の生物物理学の研究室に滞在し、細胞性粘菌の酸素に対する走性についての研究を行いました。私の所属する流体科学研究所の船本研究室ではマイクロ流体デバイスを用いた細胞実験を行っており、その技術を活かし、リヨンでは異なる酸素環境下における細胞性粘菌(アメーバ細胞)の細胞運動を観察できるデバイスを開発・作製し、細胞実験や運動解析を行いました。
慣れない環境の中で初めての挑戦がほとんどでしたので、当初は失敗ばかりで、試行錯誤の繰り返しでした。平日は実験や研究室のメンバーとの議論を行い、休日はデータ解析のために未経験だったプログラミングの勉強をして、あっという間の2カ月半でしたが、最終的に納得できる成果が得られたことがとても嬉しかったです。
また、研究室には様々な専門知識やバックグラウンドを持つ研究者が在籍し、毎週のゼミでは、分野の壁がない多角的な議論が活発に行われていたことがとても印象的でした。私自身、学部は化学・バイオ工学科に在籍し、学びの過程でよりメカニカルなことに興味が湧き、修士課程から機械系に転籍した経緯があります。日本では一つの専門を継続して深堀りした人が高く評価されることが多いと感じていましたが、フランスでの経験により、私自身のバックグラウンドが決して弱みではなく、様々な研究者と関わりを持ったり多角的な議論を行ったりする上で、強みにもできることに気が付きました。
日常生活では、初めてのフランス滞在で言葉が通じずに戸惑うこともありましたが、慣れてくると最低限のフランス語でやりとりができるようになったことはとても素敵な経験になりました。