複雑流動研究部門

複雑衝撃波研究分野

  • (兼)教授永井 大樹

  • (兼)特任准教授大谷 清伸

衝撃波現象は航空宇宙をはじめ材料工学、医療、地球物理と様々な分野に関わり、重要な研究課題です。複雑衝撃波研究分野では、固気液三相の全て媒体内で伝播する複雑な衝撃波挙動の基礎現象の解明およびその学際応用について研究を行っています。

生体内における衝撃波伝播挙動の解明

生体を構成する物質に近い水中の衝撃波および膨張波現象の解明は衝撃波医療応用において重要な研究課題である。本研究では音響学における透過・反射で重要なパラメータである音響インピーダンス(媒体の密度と音速の積)に着目し、音響インピーダンスを考慮した生体模擬物質を用いたモデル実験で生体内の衝撃波の伝播、干渉挙動を調べ、局所的な高圧と気泡生成につながる負圧領域の発生を確認することで衝撃波による生体損傷の機序解明を行い、その発展としてその防御方法の確立を目指します。
  • 音響インピーダンスを考慮した生体模擬材料中の衝撃波伝播挙動

衝撃波圧力の制御に関する研究

衝撃波の干渉、回折現象等による衝撃波の圧力低減効果、閉空間を利用した衝撃波の圧力増幅効果に関して実験的、数値解析的に解明を進めている。これら方法の確立は、人工構造物や人体への衝撃波の破壊的な影響を緩和し、一方で衝撃波圧力を用いた新たな産業応用デバイスの開発に繋がることが期待できる。
  • Sequential shadowgraph image
  • Pressures history
  • 水粒子干渉による衝撃波圧力の低減

超音速自由飛行体の空気力学的の解明

超音速旅客機のソニックブーム低減技術や火星探査用カプセル開発等に関わる超音速自由飛行体の空気力学的特性、機体発生衝撃波と機体周りの流れ場について弾道飛行装置を用いた超音速自由飛行実験で解明を進めています。また様々な形状模型の超音速射出技術とその定性的、定量的評価のための新たな計測技術の開発も取り組んでいます。
  • 火星大気模擬気体中の超音速自由飛行するカプセル形状模型
  • 様々な形状模型の高速射出技術開発(超音速自由飛行するリング模型)