統合流動科学国際研究教育センター
高速反応流研究分野
(兼)教授小林 秀昭
准教授早川 晃弘
特任准教授K. D. Kunkuma A. SOMARATHNE
特任助教Yi-Rong CHEN
特任助教伊藤 尚義
客員教授Christine Mounaïm-Rousselle
環境・エネルギー分野の代表課題である燃焼は、温度、濃度、速度、高温科学反応といった多次元のダイナミックスが複合した現象です。本研究分野では、複雑な燃焼現象の解明、次世代融合研究手法による高速燃焼診断法および解析手法の研究開発を行い、これらの一体化によって環境適合型燃焼法および燃焼予測、制御技術の高度化を目指しています。特に、高温・高圧環境における乱流燃焼、廃棄物や燃料液滴などの不均衡質燃焼、超高速燃焼の基礎現象解明と制御法の開発に取り組んでいます。
燃焼の科学と高効率エネルギー技術
現代のエネルギー技術の中核にある燃焼技術は、反応性気体力学により深い研究を基盤としながら、環境負荷を最小にする燃焼開発や燃焼システムの一層の効率化が求められています。ガスタービンシステムへの石炭改質ガスや代替燃料利用を想定した高温高圧下の乱流燃焼の研究を高度なレーザー計測技術を駆使して行っています。
超音速流における保炎と火炎形態
超音速流における混合・燃焼・衝撃波干渉現象は、次世代推進系開発の基礎であると同時に、極限環境下における高速反応流です。本研究では、OHレーザー誘起蛍光法(OH-PLIF)による燃焼領域の可視化実験を行うと同時に、スーパーコンピュータを用いた数値計算結果を考慮し、超音速流中のキャビティー保炎器に形成されている火炎の構造や安定メカニズムを明らかにする事を目的として研究を行っています。
実験(直接写真)
数値解析(OH濃度)
実験(OH-PLIF)
数値解析(流線)
カーボンフリーアンモニアの燃焼科学
カーボンニュートラルを実現するために、アンモニアの燃料利用が注目されています。しかしながら、その燃焼特性は十分明らかにされておらず、詳細な燃焼過程や燃焼生成ガス特性を明らかにする必要があります。本研究室では、球状伝播火炎や対向流火炎を対象とした基礎的層流燃焼火炎の研究や、その結果に基づくアンモニア詳細反応機構の検証などを行っています。さらに、ガスタービンでのアンモニア利用に向けて、旋回流燃焼器における保炎特性や液体アンモニア噴霧燃焼特性などの研究を行っています。
球状伝播アンモニア空気予混合火炎
旋回流燃焼器に定在したアンモニア火炎
アンモニア/空気予混合火炎の反応経路