統合流動科学国際研究教育センター(IFS-GCORE)
統合流動科学国際研究教育センターとは
2022年10月、流体科学研究所では「統合流動科学」という新しい言葉を掲げ、「統合流動科学国際研究教育センター(IFS-GCORE)」を創設しました。
統合流動科学国際研究教育センターでは、統合流動科学を学術基盤として、革新的半導体デバイスや燃料アンモニアをはじめとする多様な応用分野への展開のための研究を行います。このために、フランス、台湾、サウジアラビア、アメリカなどの海外拠点を核とする国際ネットワークを活用して共同研究教育を推進し、社会インパクトを創出するアライアンス型の国際拠点となることを目指します。
これまでに構築してきた国際ネットワークを活かし、世界の様々な分野の若手研究者が集うこの国際拠点から、多様な学問分野や文化に通じ、高い専門性を持つ人材を輩出します。
動画:統合流動科学国際研究教育センターとは
ご挨拶
IFS-GCORE設置に際して
流体科学研究所所長 丸田薫
本研究所は、高速力学研究所として1943年に創設され、1989年に改組転換され「流体科学研究所」となり今日に至っています。本研究所の過去、現在、そして未来へと続く研究の流れは、大きく4つのフェーズに分けることができます。高速力学研究所の創立に始まる第1フェーズでは、水と空気の流れが主に取り扱われ、まだコンピュータの無い時代の研究は、実験と数学を中心に研究が行われました。1980年代以降、対象とする流れの種類が大幅に拡大、希薄流体、磁性流体、燃焼流、衝撃波など、広範な流体研究分野で世界的業績が上がり、改組後の第2フェーズに移ります。その後、スーパーコンピュータの導入による数値計算の隆興、レーザをはじめとする実験・計測手法の飛躍的高度化があり、21世紀に入った頃には、対象が物質との関わりに発展したことにより流体科学が異分野へ拡大、航空宇宙、エネルギー、バイオ、医工学分野など、マクロ材料と流体科学による異分野連携の第3フェーズの時代となりました。
2022年(令和4年)10月、本研究所は新たに附属統合流動科学国際研究教育センターを発足させ、「統合流動科学」の新展開を目指す第4フェーズに突入いたしました。第4フェーズの本研究所は、多様な学問領域と応用分野間の共創・創発により強靱で持続的なシナジー効果をもたらすフローダイナミクス・アライアンスの形成・展開により、「流体+材料連携研究」の世界共創ハブとなることを目指します。
第4フェーズの核となる附属統合流動科学国際研究教育センター(IFS-GCORE)は、流体科学研究の確固たる学術基盤を基に、多様な応用分野における社会課題解決までを包含した新概念「統合流動科学」を提唱しています。これまで発展させてきた流体+マクロ材料に、流体+ナノ材料を追加し、デジタル化・グリーン化を出口とする国際的な流体・材料連携研究を推進して参ります。今回のセンター設置により連携研究の対象を、カーボンニュートラルや先進半導体と言った先端分野にまで大きく拡大、社会課題解決への貢献を目指しております。
センター長挨拶
統合流動科学国際教育研究センター長 内一哲哉
統合流動科学国際研究教育センターは、統合流動科学を学術基盤として、革新的半導体デバイスや燃料アンモニアをはじめとする多様な応用分野への展開のための研究を行います。国際連携活動の促進を支援してきた国際研究教育センターと日仏の交流や共同研究で大きな成果を挙げたリヨンセンターによる活動を統合・強化することにより、フランス、台湾、サウジアラビア、アメリカをはじめとする海外拠点とともに共同研究教育を推進し、社会インパクトを創出するアライアンス型の国際拠点となることを目指します。
このためには、様々な流体科学を専門とする研究者達が、多様な学問領域や応用分野において、内外の共同研究者とともに新しい研究を共創・創発していくことが必須です。また、世界の様々な分野の若手研究者が集うこの国際拠点から、多様な学問分野や文化に通じ、高い専門性を持つ人材を輩出することを期待しております。
統合流動科学とは
「統合流動科学」は、「流体科学」分野での確固たる学術基盤を基に、多様な応用分野での社会課題解決までを目指しています。私たちの礎「流体科学」を起点に、分子・原子にまで拡がる空間的・時間的にも広大な学術基盤です。下図の青い絨毯の上に、人類社会に資する多くの応用分野、この赤や青の風船が拡がっています。流体科学研究所では、様々な流体科学の学術基盤に強みをもつ研究者群が切磋琢磨して基礎学術の柔軟かつ強靱な発展を図ると共に、カーボンニュートラルや先進半導体、エネルギー、医工学、航空宇宙といった出口を指向した応用研究に、内外の共同研究パートナーと協力して取り組みます。
組織
教授・准教授・助教名 | |
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センター長 | 教 授:内一 哲哉 |
副センター長 | 教 授:石本 淳 教 授:徳増 崇 |
リンク
プレスリリース:IHI×東北大学アンモニアバリューチェーン共創研究所を設置
ウェブサイト:Core-to-Core program(独立行政法人日本学術振興会 研究拠点形成事業)採択事業