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【発表のポイント】
· 非常に薄い温度境界層(*1)を高時空間分解能で高精度に可視化する実験技術を確立.
· 微量の衝突噴流を自然対流場に当てることで,自然対流が持つ伝熱性能を向上できることを実験的に示した.
· 理論的に提唱されていた自然対流の固有周波数の存在を実験的に捉えることに成功した.
· 固有周波数の存在条件を示したことで,空調機器をはじめとする伝熱機器の性能向上が期待できる.
【概要】
カーボンニュートラル社会の実現に向けて,エネルギーの有効利用や最適利用が求められています.特に発電所等における廃熱利用や熱交換器などの高効率利用は急務であり,基盤技術として伝熱促進技術の開発が強く求められています.
東北大学流体科学研究所の小宮敦樹教授の研究グループは,レーザー光を用いたマッハツェンダー型大型干渉計(*2)を利用して,これまで理論的に提唱されていた自然対流の共鳴現象(自己固有振動)を実験的に捉え,数値シミュレーションの結果から共鳴が起きる条件を明らかにしました.
これにより、火力発電所等の冷却塔に利用されていた大規模自然対流冷却を低エネルギーかつ高効率で伝熱促進させることが可能となり,エネルギーの有効利用につながることが期待されます.
本研究は,2021年6月17日に米国の国際学術誌「Physical Review Fluids」にLetterとしてオンライン掲載されました.
また,本研究は流体科学研究所公募共同研究の支援を受けて実施されました.
図1:マッハツェンダー型大型干渉計
【用語解説】
1. 温度境界層:加熱面もしくは冷却面の近傍に形成される急峻な温度勾配を有する薄い層.
2. マッハツェンダー型大型干渉計:レーザーの光干渉を利用して,通常では目で視ることのできない気体や液体の密度差やその勾配を縞模様にして可視化する装置.
<関連リンク>
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