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2025.09.24

【研究成果】脳血管の血流をAIで即時予測 ー限られた患者データから高精度に再現、個別化医療へ道ー (2025.9.24)

【発表のポイント】
・深層学習により血管表面形状から複雑な3次元血流を即時推定する技術を開発
・物理法則(ナビエ–ストークス方程式)を学習に組み込むことで、従来は大量に必要だったデータを大幅に削減しながらも高精度な予測を実現
 手術中や救急医療など、迅速な判断が求められる現場での活用に期待

【概要】
東北大学流体科学研究所の安西 眸 准教授らの研究グループは、患者ごとの脳血管形状から血流分布を即時に推定できるAI技術を開発しました。
同グループはこれまで、深層学習を用いて血管表面形状から内部の複雑な血行動態を推定する技術の開発を進めてきましたが、その構築には大量の学習データが必要で、データ準備が大きな障壁となっていました。
今回、新たに物理法則(ナビエ–ストークス方程式)を学習に組み込む物理インフォームド・ニューラルネットワーク(PINNs)(注1)を導入することで、51名分という限られた患者データでも、高精度な3次元血流予測を1秒以内に実行することに成功しました。
この成果は、個別化医療の推進や、手術中・救急医療など迅速な判断が求められる場面での活用が期待されます。本研究成果は、学術誌 Engineering Applications of Artificial Intelligence に2025年8月25日に掲載されました。



深層学習技術を用いた新しい血流解析


【用語解説】
注1:PINNs (Physics-Informed Neural Networks)
物理法則を損失関数に組み込み、データが少なくても物理的整合性を保った学習を可能にするニューラルネットワーク。

【論文情報】
タイトル:Physics-informed point cloud deep learning for cerebral hemodynamics with limited patient data
著者:Jing Liao, Gaoyang Li, Keito Yanagisawa, Shin-Ichiro Sugiyama, Makoto Ohta, Hitomi Anzai*
*責任著者:東北大学流体科学研究所 准教授 安西眸
掲載誌:Engineering Applications of Artificial Intelligence

DOI: 10.1016/j.engappai.2025.112034


詳細(研究成果リリース文書)


【関連リンク】
生体流動ダイナミクス研究分野
太田研究室

【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学流体科学研究所
准教授 安西 眸
電話 022-217-5224
E-mail hitomi.anzai.b5*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学流体科学研究所 国際研究戦略室(広報)
電話 022-217-5873
E-mail ifs-koho*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)