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2022.01.04

【講演会】制御と情報-生体への応用-研究会 Webinar 第38回 流体科学におけるバイオ・医療に関する講演会 (2022/1/18 火)

第38回 流体科学におけるバイオ・医療に関する講演会を開催致します。
生体工学・医療工学にご興味をお持ちの方は、是非ご参加ください。

制御と情報-生体への応用-研究会 Webinar
(第38回 流体科学におけるバイオ・医療に関する講演会)

主催: 日本機械学会バイオエンジニアリング部門 制御と情報-生体への応用-研究会

共催: 東北大学流体科学研究所 健康・福祉・医療クラスター

日時:令和4年1月18日(火)15:00~17:00

場所:オンライン開催(Zoom Webinar,下記URLよりご登録ください。)
https://zoom.us/webinar/register/WN_OoXkfkrLSkaQRBH2x3LU1Q

ポスター(PDF)

講師:北岡 裕子 先生(東京農工大学 工学部生体医用システム工学科 客員教授)
講演内容:「流体力学にもとづいた臨床呼吸機能検査の再構築」
 臨床呼吸機能検査は呼吸器疾患の診断と治療効果判定にとってきわめて重要である。しかしながら、従来の呼吸機能検査は呼吸器系を電気回路モデルとみなす解釈にもとづいており、大気道における乱流の効果が無視されている。また、肺胞気から血液へのガス輸送は拡散現象とみなされ、血流による移流の効果が無視されている。そのため、肺気腫や気管支喘息、間質性肺炎(COVID-19肺炎も含まれる)などの主要呼吸器疾患の病態が正しく理解されていないのが現状である。流体力学にもとづいた呼吸生理学と呼吸機能検査の再構築が急務である。


講師:安西 眸 先生(東北大学 流体科学研究所 助教)
講演内容:「オイラー液膜モデルを用いた下気道壁面からの微小飛沫生成シミュレーション」
 近年のCOVID-19の世界的な流行に伴い、呼吸時あるいは咳嗽時の呼吸器飛沫拡散に関するCFD(Computational Fluid Dynamics)シミュレーションが盛んに行われている。一方で、人体内での液滴生成については、いまだ不明な点が多い。そこで本研究では下気道壁における気流のせん断応力による液滴剥離に着目し、オイラー液膜(Eulerian Wall Film, EWF)モデルを用いることで呼吸器飛沫の生成をモデル化した。さらに気道壁面から生成した飛沫を分散層モデルで追跡することにより、ヒト下気道モデルにおける飛沫生成を可視化することが可能となったので、ここに紹介する。


講師:石井 琢郎 先生(東北大学 学際科学フロンティア研究所 助教)
講演内容:「超音波ベクターフローイメージングによる排尿流動態の可視化」
 下部尿路症状は加齢医学において重要な対象疾患の一つである。膀胱や尿道の機械的・機能的性状は、膀胱内圧や排尿量などから得られる尿道の閉塞度指標など間接的に評価されてきた。一方、治療の個別化や局所化の向上を目指し、尿路の形態や運動特性と尿輸送の物理的因果関係の解明と、臓器の直接的な性状評価の確立が期待されている。尿道内腔の流れ場は、大きな流路形状変化を伴う時空間変動を有し、周期性も乏しいことから、数値計算・計測手法ともに未だ様々な研究を要する領域である。本発表では、高速超音波撮像法に基づくベクターフローイメージング技術を用いた尿道内排尿流動態の高精細な可視化手法を紹介する。


連絡先:東北大学 流体科学研究所
    船本 健一(Tel: 022-217-5878)